「ソーシャル」への対応
平野氏は、これからのHRシステム選定における、もう1つのポイントとして、「ソーシャル」への対応を挙げている。インターネットを通じて複数の人々との間で双方向コミュニケーションを行うSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などのソーシャルメディアが普及しているが、今後はHRシステムにも、こうした機能が求められるというのだ。
「従来、基幹業務のアプリケーションにはソーシャル的な考え方は取り入れられてきませんでした。しかし、今後はソーシャルな機能を企業のITインフラにいかに取り込むかが、重要な要素となってきます」
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同社が提供するLMS(ラーニングマネジメントシステム)には「ソーシャルラーニング」という機能がある。従来、コンピューターを利用したラーニングは、受講者が1人で行うものだった。そこにソーシャルの機能を取り入れることにより、他の従業員とコミュニケーションをとりながら学ぶことが可能になる。仲間や周囲を意識しながら学ぶことにより、独学よりもモチベーションの向上が期待できる。
「普段の仕事と一緒です。一人ひとりが自分の仕事をしていても、必要に応じて隣や向かいの人に話しかけたり、相談したりしますよね。コンピューターに向かっていても、同じようなことができるのがソーシャル機能です。こうしたソーシャルを意識した製品選びも、今後のポイントと言えるでしょう」
ダッシュボード機能に注目
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HRシステムがモバイル環境に対応するようになると、マネジメントも"いつでもどこでも"できるようになる。そこで改めて注目されるのが、複数のデータから会社やビジネスの状況を可視化し、把握できるようにするダッシュボード機能だ。UIの優れたダッシュボードを利用することで、誰もが、どのような端末からでも必要なデータを表示することができるようになる。これにより、会議のあり方も変化するという。
「従来の役員会議やマネジャー会議などでは、事前に書類を用意したり、あるいは担当者が指示を受けて必要なデータを呼び出して表示したりしていました。これからは、各出席者が会議の場で、それぞれの端末を操作しながら必要なデータを表示し、全員でそのデータを共有しながら会議を効率的に進めることができるようになります」
このように、これからのHRシステムは、モバイル環境でどれだけ使いやすくなっているかが選定のポイントとなる。サムトータル・システムズが新たにリリースした製品は、これらのポイントを踏まえた進化を遂げている。
これからHRシステムの導入を検討する際は、自らのスマートフォンやタブレット端末で各製品のデモ版を操作することをお勧めしたい。そうすれば、モバイル環境での使い勝手の良し悪しが実感できるはずだ。