エレクトロニクスを始め、映画、音楽などのエンタテインメント、金融などさまざまな事業を手がけるソニーグループは、言わずと知れた世界に展開するグローバル企業である。グループ全体の社員数は14万人、社員の国籍は65ヶ国以上にもおよぶという。グローバル化の波が訪れるよりもずっと早くから世界への展開を繰り広げたソニーにとって、英語とはどんな存在なのだろうか?

創業70年を迎える
グローバル企業の先駆者ソニー

 1946年に東京通信工業として創業したソニーが、世界市場を目指すきっかけになったのは1953年に行われたオランダのフィリップス社見学だ。フィリップスのような大企業を目指し、輸出に重点を置き世界市場を目指すことになる。そして、海外に事務所や工場を次々に置き、1960年には、ニューヨークに初の海外法人を設立した。

足立 朋子
ソニー株式会社 グループ人事部
グローバル人事プロジェクトグループ ゼネラルマネジャー

 本社であるソニー株式会社で、グループ人事部 グローバル人事プロジェクトグループ ゼネラルマネジャーを務める足立朋子さんは「ソニーは、国際的な会社を運営するビジョンを持ち1960年代からその実現にふさわしい人材を雇用してきたのだと思います」と語る。

 日本人社員だけではなく、積極的に現地の人材を登用し、国際色豊かな企業として歴史を積み重ねてきたソニー。グローバル企業としての運営に絶対に欠かせないモノがある。それは英語だ。

65ヶ国14万人を
英語が結びつける

 ソニーグループ連結売上の約70%が海外というだけがその理由ではない。グループ社員14万人の国籍は65ヶ国にものぼり、日本国外で働いている社員はその半数以上。そういった多様な社員を結ぶ社内のコミュニケーションにも、共通語として英語が使われている。世界各地で活躍する人材が、エレクトロニクスやエンタテインメントといったソニーグループの持つ力を駆使した商品・サービスを共同で開発するのに、英語が必要なのだ。

 例えば、スマートフォン「Xperia™」を開発しているソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社。「ひとつのスマートフォンを世の中へ出すために、世界中のエンジニアがチームを組んで開発を行う、ソニーグループの中でも最もグローバルな動き方をしている会社の一つです」と足立さんは語る。   

 東京本社のエンジニアが、アメリカ人、中国人、スウェーデン人等の世界中に散らばる同僚達と、国境や時差を超えてデザインや設計、進捗状況などについてコミュニケーションをとる――。そこでも、英語は多国籍チームを結びつける貴重なツールとなっている。