電子マネーギフト発行企業紹介 Case.1  セブン・カードサービス

■企業からの要望を受けてnanacoギフトが誕生

isobe株式会社セブン・カードサービス
執行役員 電子マネー開発部担当
磯邊 俊宏

 プリペイド型の電子マネー、nanacoが登場したのは2007年のことです。当初は普及に苦労した時期もありますが、その後、順調に成長を続け、現在では発行件数が約3717万件(2015年2月末時点)に達しています。

 nanacoは、現金代わりとして多くの方に利用されています。小小銭いらずで、レジでかざすだけでスピーディーにお買い物できます。

 セブン-イレブンやイトーヨーカドーをはじめとするセブン&アイグループの店舗はもちろん、グループ外でも利用できる場所が広がっています。nanacoの利用可能拠点数は16万7700拠点(2015年2月末時点)ですが、さらに増やしていきたいと思っています。

 ユーザーにとっての最大のメリットは、お得にお買い物ができることでしょう。お買い物をするたびにポイントがたまり、そのポイントはnanacoの電子マネーに交換することができます。nanacoは利便性が高く、お得にポイントがたまります。加盟店の増加とも相まって、繰り返しnanacoを使っていただける好循環ができつつあるのではないかと考えています。

 2008年には、電子マネーギフト「nanacoギフト」がスタートしました。きっかけは、nanacoにお金をチャージして贈りたい、つまり金券によるギフトのような使い方をしたいという企業からのご要望です。nanacoは、ご本人様の利用が前提のため、入会費用がかからない形でバリューを贈ることができ、さらには、ECサイトでの物品購入ニーズもあると考え、それらに対応ができるnanacoギフトが生まれました。

■オムニチャネル化の推進に向けたnanaco、nanacoギフトの役割

 nanacoギフトは等価で販売しています。つまり、3000円分のギフトは3000円、1万円分のギフトは1万円で販売し、処理コストなどはお客さまに転嫁していません。企業としては悩ましいところですが、お客さまへの提供価値を優先して割り切ったということです。それが、利用の伸びにもつながっています。

 法人向けで多いのは、やはりキャンペーンのプレゼントです。受け取った側がセブン-イレブンをはじめ身近な場所で利用できる点などが、企業には評価されているようです。

 消費者の使い方としては、本人が自分のnanacoにチャージするというケースが多いですね。ただ、nanacoユーザーの増加に伴い、今後は誰かにプレゼントするという利用法も増えてくるのではないかと期待しています。また、ECサイトでの決済手段としての利用にも適していると思います。

 現在、セブン&アイグループではオムニチャネルへの取り組みを強化しています。以前は個社ごとに商品やサービスを提供しておりました。しかし、オムニチャネルの取り組みでは、グループ内の多様な業態の企業、あらゆるチャネルが連携してお客さまに向き合うことで、よりいっそう、利便性が高まることの実現を目指しています。

 オムニチャネル化を進める上で、リアルとバーチャルの融合、または統合は重要なテーマ。このような観点でも、nanacoやnanacoギフトの担う役割は大きいと考えています。

nanaconanacoギフトの活用例には、企業の提供するキャンペーン特典、提携先のポイント交換商材などがある。また、セブン-イレブンやイトーヨーカドーなどで販売されているPOSAカードタイプ(レジで支払いをした時点で使用可能になる)には、3000円、5000円、10000円の3券種がある。利用先としては、nanacoへのチャージとECサイトでの支払いという2つがある。