マンション取得意欲が旺盛な都市部のシングル層。特に女性シングルの購入の動きが目立っている。彼女たちが住まいに求めるこだわりのポイントを探ってみた。
資産性を考えれば
「貸しやすさ」が大事
現実路線で考えるシングル女性がマンションに求める必須条件は、「将来、貸しやすい」こと。具体的には「東京23区内の駅に近い1LDK」となる。この条件ならば、自分が住んでも便利だし、転勤・転職、結婚など、ライフステージに変化があれば貸せばいい、という判断だ。
小島ひろ美氏●一般社団法人「女性のための快適住まいづくり研究会」代表。これまで600回以上の「女性のためのかしこいマンション購入術講座」で講演。マンション購入に関するさまざまな無料相談を受けながら、女性の立場に立った〝より快適な住まいづくり"をデベロッパーや建設会社等に企画提案している。http://www.kaiteki.gr.jp/
「マンションは、売るタイミングが不景気期に重なると価格が下がってしまうけれど、家賃は大きくは変動しません。まして23区内の駅近物件なら下がりづらい。シングル女性はそうした安全性や資産性をしっかり考えています」(一般社団法人 女性のための快適住まいづくり研究会代表・小島ひろ美氏)
都心のコンパクトマンションはもちろん、タワーマンションの1LDKも人気が高い。南東角の1列を1LDKにしたタワーでは、その半数以上をシングル女性が購入した例もあるという。
また、都心から少し離れたエリアを選び、大規模物件の中の小さい部屋を買う女性も少なくない。コンパクトマンションだと似たような世帯構成(昼は仕事で留守にし、夜帰ってくる)になりがちだが、大規模物件なら昼間も誰かがいるから安心だ。共用施設の利便性も高い。その場合も、駅から近い、都心へのアクセスが良い、ブランド物件である、割安感があるなど、資産性のチェックは欠かさない。
シングル男性も同様に資産性を重視する。「彼らの物件選びのキーワードは『都心、駅近、大規模、タワー、再開発』。質問は、周辺の同レベル物件の中古騰落率と、賃貸料のみ。他のことはほとんど聞かれない」と証言する大手不動産会社の営業マンもいる。