地域のネットワークと
下請けの両輪で販売拡大

 メタルビルには、二つのビジネスモデルがある。一つは、地域の施工店やゼネコンなどの協力会社にパッケージで販売するものだ。設計・施工の協力会社は、北海道から沖縄まで約400社あり、日本全国どこでも対応可能。その数は年々増加し、同社と協力会社、また協力会社同士の連携が広がっている。平田部長が「協力会社のビジネスの拡大が協力会の大きな意義」と語る協力会の全国大会が毎年行われており、今年は6月に金沢で開催予定だ。各地から集まる協力会社の中には家族連れでの参加もあり、同社と協力会社の関係がアットホームな雰囲気の中にうかがえる。

 もう一つは、同社が直接施工に携わるもので、最近の施工事例に国際規格の「埼玉アイスアリーナ」がある。高性能座屈拘束ブレースや「キャップ式いちいち基礎工法」をはじめ、耐震性や断熱性、気密性に優れた新工法・新技術を各所に適用し、高い評価を得ている。

 メタルビルには、工場・倉庫、店舗、事務所の他、集合住宅や幼稚園、さらには寺院まで、実に多彩な施工事例がある。店舗系の建物では、外壁材が指定されるケースがあり、その際は市販外壁材をメタルビルに組み込み、自由設計に近い形で提供することもある。二つのビジネスモデルは、そうした多様なニーズに対応するもので、メタルビルという一商品ではなく、建物のタイプや状況に合わせた建築ソリューションを提供する体制を整えているのである。