あらゆるモノをインターネットにつなげて新たなサービスを創出する「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」への関心が日に日に高まっている。なぜIoTがここまで注目されるようになってきたのか。「Interop Tokyo 2015」実行委員の藤原洋氏に、IoTに関する世界の情勢や課題、2020年に向けた展望について聞いた。
インターネット企業だけでなく製造業も
IoTへ舵を切っている
ブロードバンドタワー代表取締役会長兼社長CEO
ナノオプトメディア代表取締役社長
インターネット協会副理事長
Interop Tokyo 2015実行委員
「世界ではこの1、2年でIoTにかかわる動きが急速に顕在化しています」と話すのは、「Interop Tokyo 2015」実行委員の藤原洋氏だ。その理由として、世界的な企業や先進国の政府の顕著な動きが上げられるという。
「たとえばインターネット企業の代表であるグーグルは、サーモスタットのネストラボや、人工知能関連のディープマインドを買収しました。一方、製造業の代表であるゼネラル・エレクトリックは、VMWareなどとビッグデータ関連のピボタルを設立しました。またドイツのメルケル首相は『Industry 4.0』を提唱し、インターネットを使って製造業のイノベーションを興そうとしています。こういった動きがIoTブームの一つの流れをつくっています。2015年は世界がIoTの急速な発展について認識する年になるという意味で、『IoT元年』になると考えています」
藤原氏によれば、日本でもIoT活用の動きは広がっているという。たとえばコマツは、建設機械の遠隔管理システム「KOMTRAX」から収集したビッグデータの解析で、GEと提携することを先日発表した。
インターネット企業はデバイスを使ってデータの収集に乗り出し、一方の製造業はインターネット技術を使って業務の効率化や生産性向上、販売増を図る。異なる二つの分野の企業が次々と「IoT」へと舵を切っている。