「それは違います。クラウドであっても、ユーザーは端末側で何らかの個別設定を施したうえで利用するのが基本です。ここでも、システムバックアップの重要性は変わりません」(大岩氏)

 確かにクラウドアプリケーションでも、まったく設定をせずに使うことはなさそうだし、Webブラウザの設定などは端末に保存されている。設定情報のバックアップと復旧は、事業継続にとって欠かすことができないのだ。

PCが壊れても
設定も含めて復旧できる

 一方、同社が創業時から手掛ける個人向けのバックアップアプリケーションも、複数デバイスの時代に対応する新バージョンが登場している。こちらも、今後はクラウドサービスとの連携が重要になるだろう。

「個人のデジタル製品の利用においても、例えばスマートフォンで撮影した動画の保存など、データ容量が爆発的に増えています。当社の個人向けバックアップ製品は、クラウドへの保存容量が無制限ですから、デバイスを買い替えたり、壊れた時も安心してデータを引き継ぐことができます」(大岩氏)

 災害だけでなく、サイバー攻撃などによって突然システムが破壊されることがあり得る昨今。想定外のことが起きても最短時間でシステムを復旧させる手段を持つことが必要だ。大岩氏は「企業向けのバックアップ分野は、現在の約10倍の潜在市場があると見ている」と、今後の事業拡大に強気だ。

(取材・文/ダイヤモンドIT&ビジネス)