2.DBP(Development Bank of the Philippines)への預託金

 次に預託金の預け先だが、最近では外国人の民間銀行(一般認定銀行)での口座開設が難しくなっており、DBP(フィリピン開発銀行)にあるPRAの口座に預託金を送金する手続きが一般的になっている。DBPの場合、申請者が個人口座を開設する必要がないうえに、政府系銀行であるため倒産の心配がなく安心だ。

 ちなみにフィリピンのペイオフ(預金保護)は50万ペソ(約130万円)で、2万ドル(約240万円)を民間銀行に預けた場合、その半分しか保証対象にならないというリスクがある。

 DBPに送金した預託金はPRA口座に一括して預けられている。したがって申請者の個人口座は存在せず、DBPからPRAあてに「所定の金額を預かっている」という証明書が発行され、それがビザ発行の条件となる。後日、PRAから申請者に預かり金の証明書が発行されるのだが、当初はDBPからの証明書のみが申請者に渡され、預託金の証明となる。

【預託金の振込み】

 DBPのPRA口座へはもちろんビザの申請者の名前で振り込まれなければならないが、何らかの事情で第三者に振込みを依頼する場合は、送金依頼書の連絡事項欄に「SRRV Deposit for xxxxxxxx(申請者の名前)」と記載すれば大丈夫だ。ちなみに、DBPが受取証明書を発行しPRAが申請者の預託金を認識するまで、送金日から約2週間かかるので、十分な余裕を持って送金することが肝心だ。

 なお、ゆうちょ銀行の場合、送金依頼書に連絡事項欄がないため、第三者が振り込むと申請者を認識できず、トラブルとなる可能性がある。預託金の送金はゆうちょ銀行の利用は避けてほしい。

【ORアカウント(共同名義)】

 フィリピンの民間銀行では、PRAの承認を経て共有名義の口座(“または”という意味の英語“OR”を使って“OR(オア)アカウント”と称する)に預託金を預けることができる。「ORアカウント」では、どちらか一方の指示で預金の全額を下ろすことが可能なので、後述するように、相続の場合たいへん有利になる。

 DBPでは本人名義の口座が存在しないので、「ORアカウント」への移動は不可とされたが、民間銀行からの預託金の移動では「ORアカウント」にすることができた。ただし、個人名でDBPに預け入れた預金をあらためて「ORアカウント」にすることは現状ではできず、不公平な取り扱いになっている。

 ちなみに民間銀行で「ORアカウント」にできるのは下記の場合だ。

(1)日本人同士の夫婦で両方が退職ビザを保有している(申請者本人と同伴者として)
(2)配偶者がフィリピン人である

【利子の支払い】

 DBPに預けられた預託金には若干ながら利子がつく。PRAに出向いて所定の様式に記入して利子の支払いを請求すれば、指定した口座に振り込んでもらえる。ただし、振込口座は本人名義でなければならない。ちなみに利子の支払いは年1回だ。

【ゆうちょ銀行のトラブル】

 ある申請者が、ゆうちょ銀行から預託金をDBPに振り込んだところ、ゆうちょ銀行は経由銀行(コルレス銀行)としてフィリピンのローカル銀行(政府系)であるLAND BANKを選択した。LAND BANKはDBPに振込人の情報だけを伝え、どこの銀行から振り込まれたのかをDBPに伝えなかった(伝えること拒否した)。

 さらにゆうちょ銀行も、どこを経由して送金したかを明らかにしなかった。そのためPRAとしては、それが海外から振り込まれたと認識できず、ビザ申請が暗礁にのりあげたことがある。やはりゆうちょ銀行の利用は避けたい。

次のページ

預託金を使うには?

TOP