防災拠点機能を備える
地域のにぎわい施設

東京日本橋タワーの多目的ホール「ベルサール東京日本橋」はエリア最大級の文化の発信地となる。災害時には日本橋地区の防災拠点として帰宅困難者の受け入れを行う

 専有部を停電させない仕組みも高度だ。東京日本橋タワーの場合、一般に導入されている高圧受電方式よりも信頼性・安定性に優れた特別高圧(22キロボルト)受電方法を採用、さらにガスで発電し排熱を冷暖房などに利用するガスコージェネレーション、地震に強い中圧ガスと地下タンクに貯蔵した重油で発電するデュアルフューエルガスタービンを装備するとともに、発電機の増設スペースを確保して、停電リスクに備えている。

 街全体の発展に寄与できるよう、国際対応力の強化と、さらなるにぎわいの創出にも力を入れている。東京日本橋タワーでは、地下2階に床面積約1310平方メートル、最大1300人収容可能なエリア最大級の多目的ホール「ベルサール東京日本橋」を設置。国際会議にも対応する他、給排水設備を完備し、飲食・物販などさまざまなイベントを開催できる。災害時には、地下駅前広場と併せて、帰宅困難者の受け入れスペースとして運用する計画だ。

「災害時の計画や設備を最大限活用するためには、人の要素が欠かせません。当社スタッフは常日頃からテナントと意思の疎通を図っていることに加えて、ビル内に24時間365日常駐して直接管理しています。さらに中央管理センターでもすぐに支援に向かえるようなバックアップ体制を組んでいます」

 多数のビルでBCP対応を実践してきた住友不動産の歴史と実績は、テナントに高い安心と信頼を与えるだろう。