新築マンション価格の
影響を受けにくい駅
他の街からの流入が多いエリアと、比較的安定したエリアという違いも相場に影響する。
「ここに取り上げた6つの駅のうち、人口増減がほとんどないのが北千住駅周辺で、中古価格の騰落率も安定して推移しています。人口増加傾向にある水天宮前、錦糸町、武蔵小杉は、いずれも中古価格が上昇していますね。最も人口が増えているのが豊洲なのですが、ここは13年ごろに大きく騰落率が落ちているので、最近になって、元の水準まで戻ってきたところです。大量供給エリアで新築価格動向に左右されやすい駅です」
その駅周辺で、新築マンションが大量供給されているかどうかは、ぜひチェックしたいポイントだ。
というのも、新築マンション価格は14年ごろから顕著に上がってきている。しかし、どの駅でも大量供給されているわけではない。近くに新築がなければ、「昔の値段の感覚」が残っていて、中古相場が急上昇する可能性は小さい。
「その意味で狙い目なのが、最近新築分譲が出ていない錦糸町、亀戸、新小岩、小岩あたり。水天宮前は上がってしまったが、清澄白河はまだ落ち着いています。森下、菊川、西大島、大島、東大島、一之江あたりも、最近、大量供給が途絶えていて狙い目です」
東京オリンピック後の
値動きを予測する
櫻井氏は、住宅市場は「回復期」「過熱期」「冷却期」「消沈期」の4局面を繰り返すと指摘する。アベノミクスが始まった13年末から市場は「回復期」に入った。
今、その回復の動きに伴い、新築分譲マンションの値上がりが起きているわけだ。値上がりは都心からスタートし、横浜方面に延び、都の西側に向かい、北側から埼玉方面へと「の」の字を描くように進んでいる。
「最初に回復した都心部は、もう過熱局面に入っています。準都心や近郊が今、回復期にあり、エリアによって回復期の初めの方か、過熱期に近づいているかという差がある状況です」
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