多様性のある社会
ネットワークと関われる
力を身に付ける
YGCではまた、米国のNPO法人Global Citizens Initiative(GCI)が、ハーバード大学教授クラブで開催するGlobal Citizens Youth Summit(以下、GCYS)に生徒を派遣し、報告会などのイベントを行っている。GCYSは世界中から選抜された高校生たちが、世界的な問題に対して英語で討論・プレゼンテーションを行うプログラムだ。
Global Citizens Youth Summitハーバード大学構内にある大学教授クラブで開催される「Global Citizens Youth Summit」。夏休みを利用して、今年もサピックス・代ゼミグループから生徒2人が参加。海外の同世代の生徒たちの優秀さに刺激を受けて帰って来たという
「この活動の中心となっているのは、米国の東海岸有数の全寮制高校であるフィリップス・エクセター・アカデミーの卒業生たち。あのFacebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグの出身校です。GCYSに派遣される生徒たちには、米国の成長の牽引役となっている多様性のある社会や、そのネットワークやコミュニティに触れ、刺激を受けてもらいたいと考えています。米国の名目GDPはこの15年、日本の1.1に比べて約3倍もの成長を遂げています。その成長を牽引しているのはIT系の企業ですが、その創業者の約6割は移民やその2世たち。YGCでの学びを通じて、そうした多様性のあるコミュニティと関われるコミュニケーション能力を身に付けてほしいのです」(髙宮共同代表)
単なる英語教室ではない。
将来グローバルに羽ばたいていくための、実践的な英語のコミュニケーションスキルを身に付けるプログラムがここにある。
受講生に聞く
英語を使って自分の考えを表現することを学ぶ
今年4月にトルコのイスタンブールから帰国した浅見優さんは、現在、都内の私立中学の国際学級に通う中学1年だ。トルコではインターナショナルスクールに通っており、英語力をキープするため9月からYGCに通い始めた。「今、授業で読んでいる本は、戦時中の米国の日系人収容所についてのノンフィクションです。宿題でさまざまな質問が出されるのですが、いつも深く考えさせられる問いで、普通の英語の勉強ではなく、英語を使って自分の考えを表現する勉強なのだと思います。出てくる語彙も難しく、読み込むのは大変ですが、その本をテーマに、授業でみんなと英語で討論することがとても楽しいです」。
母親の浅見里美さんは、YGCについて、「娘が海外の大学に進学するかどうかは本人次第ですが、もし海外の大学を選択することになったとき、親としては自分の意見や考えをきちんと伝えられる力を身に付けておいてもらいたいと思います。YGCの授業は少し難しくて大変そうですが、内容も豊かで、鍛えられる面があり、とても満足しています」。