日本で最初に「医療事務」という専門分野を開発し、半世紀にわたり業界をけん引。医療・介護を2本柱とし、保育の分野にもウイングを伸ばしてきたソラスト。女性が働きやすい職場を実現し、厚生労働省「次世代育成支援認定マーク(くるみん)」をこれまで3回取得してきた。同社のサービスを担う人材養成の今を、石川泰彦社長に聞いた。

ソラスト
石川泰彦 代表取締役社長

大阪大学経済学部卒業。米スタンフォード大学ビジネススクール修了(MBA取得)。日商岩井(現・双日)を経てGEグループで要職を歴任。2013年ソラスト入社、代表取締役副社長等を経て、15年8月より現職。

 約2万4000人の従業員のうち90%を女性が占めるソラストでは、女性の活躍は最重要課題。これまでも、女性が働きやすい環境整備に力を入れ、女性社長、女性役員を輩出してきたが、次の半世紀に向けて、女性の活躍を経営ビジョンの中枢に位置付けた。

「当社の場合、わざわざ『女性の』と言わなくても、社員の90%が女性ですから女性社員に活躍していただかなくては経営が成り立ちません。ただ、そのためには、今、日本の社会における女性の立場や働くための課題を踏まえた取り組みが必要だと考えています」

 と言うソラスト・石川泰彦社長が掲げる経営ビジョンには、「医療事務・介護のプロフェッショナルが育ち、良い生涯キャリアがつくれる会社」であり、「新しい働き方で、自分らしいワークライフバランスが実現できる会社」と、明確に記述されている。

 

 その前提になっているのが、女性が望むフレキシブルな働き方を支援する土壌があること。常勤、パートという働き方の枠にとらわれない統一のキャリアパス制度や、評価制度を導入している。出産や育児等による休職、復職のハードルが低いことも特徴だ。日本の企業に多い「正規か非正規か」「常勤かパートか」という「身分」で評価される労働環境とは一線を画しているわけだ。
「仕事はそのパフォーマンスで評価されるべきです」と石川社長は強調する。

医療事務スタッフは病院の顔。ソラストの良質なサービスが病院のイメージアップに寄与している(左写真)/ デイサービスセンターでの介護風景。ソラストのリハビリ、運動施設の充実度には定評がある(右写真)