ビジネス英語の実力は、企業においてどの程度評価されているのか。今、企業はどの程度の英語力を社員に求めるようになっているのか。英語力があるビジネスパーソンは転職に有利なのか。同じビジネススキルを持っている場合、英語力のあるなしで、年収にどれほどの差が出るのか。ビジネス英語の最新事情を、リクルートキャリアの吉岡朝子コンサルタントに聞いた。

リクルートキャリア 中途事業本部
ハイキャリアグローバルコンサルティング部 3グループ(金融専門域)
吉岡朝子コンサルタント

 今、企業はビジネスパーソンに、より高い英語力を求め始めているという。

「TOEIC®の点数でいうと、2年半くらい前までは入社時に730点を課す企業が多かったのですが、最近は800点を求める企業が多くなりました。私が担当している金融業界だけでなく、他の業種のコンサルタントにヒアリングをすると、首都圏にある大手企業、自動車や精密機械などのメーカー、医療業界も同様のようです。しかも英語を使う海外連携の部署だけでなく、どの部署でも満遍なく英語力を求める企業が増えてきています。今は国内市場がシュリンクし、海外の会社を買収するなど、海外戦略を取らざるを得ない。早いタイミングで英語力が必要となる可能性があるので、入り口での語学力が求められるのです」

英語力があれば年収が増え
キャリアの選択肢が広がる

 気になるのは、英語力のあるなしで年収にどの程度の差が出るのか?という点だ。

「同じ年齢でという前提ならば、150万~200万円ほど年収の差が出てきます。年収の差もさることながら、英語の実力を持つビジネスパーソンは、外資系の企業が選択肢に入ってくるために、転職における選択肢が増えます。ご紹介求人の差が顕著になり、業界や職種にもよりますが、10件の求人を紹介する場合、英語が使える人には10件の求人を紹介できるのに対し、英語を使えない人が3件ほどとなります。それほど差が大きく、英語力があれば、それだけキャリアの可能性が拓けてくるといえます」