ビジネススキルの高い人こそ
英語力を獲得すべき

 では、海外留学経験や仕事上で英語を使う環境はなかったが、コツコツ努力をしてTOEIC®などの点数を上げた人の場合はどうなのだろうか?

「例えば、TOEIC®で900点を取るには相当の努力が必要になります。その努力自体を評価する企業もあります。つまり、自分をコントロールして努力ができる人間であるという評価です。いきなり外資系企業への転職は難しいかもしれませんが、日系企業の海外関連部署に転職して、キャリアアップを実現している方はたくさんいます」

 ビジネス力はあるが英語力が低い人と、ビジネス力はないが英語力がある人と比べれば、ビジネス力がある人の方が、まだ圧倒的に有利だという。

「例え英語ができても、仕事ができなければ意味がありません。それよりも仕事のキャリアを重ねて、ビジネスのスキルが高い人が英語力を身に付けた方が、付加価値が格段に上がります。ですからビジネスの実力のある人こそが、英語を学ぶべきなのです」

 企業においても英語力向上に力を入れている。英会話スクールなどへの通学援助をはじめ、社内英語研修や講習、受検への補助、企業内に英会話スクールを常設しているところもある。

 世代的にいえば、今の20代後半以下の世代は、教育環境に恵まれたせいか、自然と英語力のある人材が増えているという。30歳代は、社会人になってから自分の意志で努力して英語力を身に付けた人が多く、40歳代以上は、海外赴任の経験者や社費で留学した人を除いては、英語を使える人が、そもそも少ないという。

「役職が上になるほど、海外との交渉で責任を持つ立場が増えるはずで、その世代には英語力が必要とされます。需給バランスの問題で、年齢の高い人こそ、英語力があれば希少価値が上がるのです」

 ビジネス英語に磨きをかけるには、遅過ぎることはないのだ。