幅広い知識・経験と
パートナーとの連携

 相続には、他にも細かな注意点や事前準備があるという。

「一例ですが、遺産分割協議書をつくるとき、複数の相続人が連名した一枚の書類にすることが一般的です。ただ、集合が難しい場合に、多人数で回覧方式にすると完成に時間がかかり、時には心変わりのリスクも。そこで、一人一枚のスタイルでつくる方法を活用することもあります」

 グローバル化の時代、相続人が海外に住んでいるケースもある。資産防衛だけではなく、手続をスムーズにする知恵や工夫もより求められよう。

 森川弁護士は、弁護士に相続にまつわる諸問題、たとえば課税や不動産での隣地トラブル、株式評価といった事柄を総合的に判断できる知識や経験も大切という。同事務所では、増え続ける相続案件に対応するため、税務等の最新の知見を貪欲に吸収。また、外部の専門家などパートナーとの連携も密に行なっている。

大企業でのSE経験が
業務に活きる

 同事務所は、相続に加えてIT、とりわけ「システム開発」分野でのトラブル解決にも力を発揮している。というのも、森川弁護士は、大手企業のシステムエンジニアが前職だからだ。

「納品されたシステムが要求レベルに達していない、といった相談 が一例です。法的評価としては、発注者が頭に描いていたものができたかどうかでなく、契約時や開発中に合意された内容に沿ったものとなっているかが問題なのですが、発注した企業が往々にして『気に入らないから契約は止め』などと言い出し、こじれることがあるのです。目に見える・見えないという違いはありますが、システム開発のトラブルは建築分野のそれと似ています」

相続案件以外にも、SEの経験を活かしてIT関連の紛争も多数解決

 このようなとき、森川弁護士は「契約の中身(何を、いつまでに等)」について、各種書類やメール文を精査。落とし所を探っていくという。

「IT関連の専門用語をわかってくれる弁護士さんと初めて出会えた(笑)と、安心してくれる依頼人さんも多いです」

 なお同事務所は、相続、ITという二本柱以外に、森川弁護士が損害額算定基準の専門書編集にも携る交通事故関連問題をはじめとして、民事、家事全般をフォローしている。

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