ファシリティ事業部
ファシリティ2課
中村正典 課長
IT化やグローバル化の進展で、経済環境の変化が著しい。そのスピードに対応するため、旧来の序列型組織から、プロジェクトごとにチームを形成して成果を出すフラットな組織に移行する企業が増えている。
そこで重視されるのは、上意下達ではなく、メンバー個々が自身の能力やリーダーシップを発揮し、アイデアを融合させて形にしていくプロセスだ。
そんな中、「時代に合う多様なワークスタイルに対応し、働く環境として満足度の高いオフィスが生産性向上に不可欠」と、コスモスモアファシリティ事業部の中村正典課長は語る。
「4つのワークモード」を
自由に選択できるオフィス
同社は、年間で700件以上、企業の移転やレイアウト変更などに伴うオフィスデザインのコンサルティングを手掛けている。
近年、企業経営においてますますオフィス戦略が重視されるようになった。背景には、働く人が生み出す知恵こそが最大の経営資源であるという考え方の広がりがある。
コスモスモアは、企業を成長に導く「良いオフィス」の条件として「社員満足度の高いオフィス」を第1に掲げ、それには、「4つのワークモード」(下の図参照)を考慮したオフィスデザインが必要だという。
「集中する」「リフレッシュする」「集まる」「交流する」の各ワークモードに応じて、働く環境を選択できるのが「良いオフィス」の条件
これは、オフィスで過ごすシチュエーションを「集中する」「リフレッシュする」「集まる」「交流する」の四つに分類し、それぞれのワークモードに応じて社員が自分の居る環境を自由に選択できるようにするもの。
具体的には、個々の業務に「集中する」ための固定席ゾーン、体や脳を休め「リフレッシュする」ためのソファ、決定すべきことがあるときに関係者が「集まる」会議室、組織や担当業務に関係なく「交流する」ための共用ライブラリなどを設け、これらを動線を意識して配置する。こうすることで、多様な業務を行う人々が、その時々の状況に合った場所をオフィス内に確保することができる。
昨今は、オフィス設計の際にコミュニケーション活性化のためのオープンスペースを増やしたり、業務効率化のためフリーアドレス制の導入が優先される流れもある。だが、「ナレッジワーカーが自身の業務に集中しにくい環境で働いているという調査結果などもあることから、集中できるスペースをつくることもとても大切」と、中村課長は「4つのワークモード」のバランスの重要性を指摘する。