ワークスタイル変革を
実践する「五つの仕掛け」
そこで田中氏は、企業が全社を挙げて「働くこと」への意識変革をシステマチックに実践するための「五つの仕掛け」を推奨する(下の図参照)。
■ワークスタイル変革に成功している企業に共通のメカニズム
働き方を本質的に見直し経営上の成果に結び付けている企業は、自転車をこげば勢いで走り続けるようにシステマチックに改革を進める仕掛け″を持つ。それは図の(1)~(5)の部品から構成される
出典:日本能率協会コンサルティング 「Business Improvement Cycle : Bicycle Model」
拡大画像表示
働き方を本質的に見直し経営上の成果に結び付けている企業は、自転車をこげば勢いで走り続けるようにシステマチックに改革を進める仕掛け″を持つ。それは図の(1)~(5)の部品から構成される
出典:日本能率協会コンサルティング 「Business Improvement Cycle : Bicycle Model」
拡大画像表示
第一には「明確で強いトップ方針」の表明だ。例えば、「ワークライフバランス推進」といった抽象度の高い題目を立てる前に、「組織や社員にどうなってほしいか」「最終的にどのように競争力に結び付けるのか」を明確にすること。これをトップからのメッセージとして繰り返し発信していく。
第二に「働き方実態の“見える化”」。長時間勤務や有給休暇取得などを徹底的に可視化、組織で共有・評価する必要がある。
第三には「働き方見直しノウハウづくり」。労働時間の短縮を具現化するために、職場内コミュニケーションの向上や人事労務制度の改定など、働き方の見直しをする。
第四は「ドライブとなる組織編制」。改革を推進する役割を担う専門チームが必要だ。
第五として「意識改革マネジメント」。特に職場づくりの中核を担うミドルマネジメント層の意識を変えるのがポイントだ。例えば、残業時間を削減した部署には、その成果をボーナスに反映するなど、部署単位での競争を促す方法が効果的だという。
田中氏いわく、ワークスタイル変革に成功した企業では、これら五つの項目が意識的に実行されており、その結果として、ワークスタイル変革がシステマチックに進んでいることが分かっている。