商品開発にも生かされる
「サイエンス」と「カスタマー・セントリシティ」

 終身医療保険の「Flexi」。この商品開発にあたって、罹患した人を含む4000人を超える一般の方へのアンケート調査を実施し、医療保険の役割を再確認した。その結果、生活習慣病に手厚く、保障内容がシンプルで分かりやすく、しかもニーズに合わせて多くの特約を選べる柔軟性のある医療保険が誕生した。特徴の一つは三大疾病特約の保障範囲を「がん、急性心筋梗塞、脳卒中」のみに限定せず、本当に役立つ保障範囲となっていること。狭心症や心不全など幅広い疾病で給付金を受け取れるようになった。

 また、貯蓄性商品である外貨建て一時払終身保険「サニーガーデンEX」は、退職後の生活費や医療費の負担に対する不安の声を基に誕生したもので、グローバルでの資産運用における、リスク管理と分散投資のノウハウを十全に生かした商品。

 「日本では急速な高齢化と長寿化が進み、自助努力が一層求められる時代になっています。保険商品に対するニーズも、死亡保障から医療保険や年金商品など長生きに対する備え、つまり“生存保障”へのシフトが進んでいます。当社では、カスタマー・セントリシティの考え方に基づき、時代に適応した商品の開発に注力しているのです」(谷貝執行役専務)

健康で豊かな生活を送ること、
それがお客さまの声

 顧客の一番の望みは保険金や給付金を得ることではなく、保険商品を通じて安心感を得られること。つまり、より本質的なニーズは〝病気にならない〟生活が送れることと考える同社は、「ヘルス&ウェルネス」の取り組みを強化しているという。

 その一つが「ベストホスピタルネットワーク/受診手配・紹介サービス」だ。11年にわたり提供しているセカンドオピニオンサービスを通じて集まった顧客の声を分析し、「専門的な治療が行える医療機関を紹介してほしい」というニーズから業界初となるサービスを開始した。

 また乳がんの早期発見や健康意識啓発も、この分野で実績を持つ企業と協業している。これらは、個人保険の契約者全てを対象とする「メットライフクラブ」のサービスの一つとして提供されている。今後は糖尿病や認知症の食事による予防といった「重大疾病の予防プログラム」や「健康増進サービスの提供」などを検討している。

新たな顧客体験を提供し
最も選ばれる生保会社に

 メットライフ生命は、こうした実績をベースに、今までにない「新しいタイプの生命保険会社」を目指している。一言で言えば、従来の生命保険会社が提供してきた商品やサービスの価値領域にとどまらない、新たな顧客体験を提供することだ。

 「私たちが最終的に目指すのは、“お客さまから最も選ばれる生命保険会社になる”こと。

 そのため、『サイエンス』に基づいた新しい商品やサービスを提供し続けたい。今後も不確実性の高い日本の中で、お客さまの人生をより充実させるお手伝いをしていきたいと考えています」(谷貝執行役専務)

欧米の70~80%に対し
日本は30%台の乳がん検診受診率


 今年5月からスタートした新サービスの「乳がん検診コンシェルジュ」。乳がん検診施設の紹介から、専用コールセンターによる相談受け付け・予約代行までを総合的に提供する。乳がん検診施設の紹介だけでなく、診断結果と共に自身の乳房の個性の説明や専用コールセンターでサポートする取り組みは生命保険業界初のこと。検診受診率の低い日本の環境を改善する試みの一つとして注目されている。