冷静に判断して
価値ある物件を選ぶ

 「古くて味わいがある木造戸建てを買い、自分好みにリノベーションしたいと考えています。しかし、大地震の報道を見聞きすると、耐震性への不安が募ります。どこまで改修費用がかさむのか、資金繰りも心配です」

 不安で気持ちが揺らいで、物件探しへの第一歩が踏み出せないと言うのは、埼玉県川越市に住む山田喜一さん(仮名)。

 実際、耐震性の確保は中古住宅選びの重要なポイントだ。求める物件がマンションか、戸建てか、築年数や維持管理状況によっても、耐震性は異なってくる。

 物件広告などから、その物件の概略をつかみ、実際に購入を検討する際は専門家に同行してもらいチェックするなど、慎重に取り組みたい。安全性に加えて、耐震性を確保できない物件は、資産価値の維持もおぼつかないからだ。

 中古住宅選びは、立地や住環境など外部要因の評価に加え、建物のコンディションの把握、改修費の費用対効果まで考え合わせることが必要なのである。

 そう聞くと「面倒だ」と思うかもしれないが、全てを自分だけで判断する必要はない。最近は仲介各社やリノベーション会社などの各種サービスも増えているから、それらを上手に活用すれば、結構スムーズに運ぶはずだ。

 もう一つ、考えておきたいのは、いざというときに「売れる」「貸せる」物件を押さえておくこと。家は生涯最大級の買い物なのだから、ここを外さないことが、長い人生のリスクヘッジにつながる。

 そのためには、単に「気に入った物件」を買うのでなく、中古住宅の「市場」や「相場」にもある程度、詳しくなっておきたい。

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この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2016年8月21日号『中古マンション・戸建て はじめての中古住宅』の詳しい内容はこちらからご覧いただけます。

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