流通チャネルでのリアルボイスも踏まえた次段階
――ムーブメントを広い層に定着させることができた要因は何ですか?
松田 当初よりワコールでは、「エイジングの情報を聞いて、諦めてしまう生活者が出てくるのでは」という不安があったと聞いています。
「わざわざプロに計測してもらっても、どうせもう間に合わない」といったネガティブな反応を恐れていました。
そこは、情報クリエイティブの四つのインサイトを徹底的に検証した結果、ポジティブだと確証を持ったからこそ、実施に踏み切れたのです。
結果、流通チャネルで表れた反応は私達の仮説どおり「まずはプロに正しく測ってもらわないと」というもの。こうして、女性たちがエイジングに対して、ポジティブであることが店舗でも確認されたのです。
そのうえで、次の段階がスタートしていきました。雑誌「美ストーリィ」とのコラボレーション企画である「おっぱい美魔女」などのイベント展開や、「ラブ、エイジング。」キャンペーンとしての商品CF放映などを実施。世の中に「ボディのエイジングケア」を女性たちにとってのポジティブなムーブメントとして広げていきました。そうした結果、冒頭に挙げた成果へとつながりました。
複合メディアの活用次第で生活者は「動く」
――デジタルメディアを効果的に活かすポイントを教えてください。
松田 以上の「“伝える”を“動かす”へと変える」プロセスは、インテグレートが数々のプロジェクトで実践しています。これらはいずれも「デジタルマーケティング」に限定したアプローチではなく、「総合的なマーケティング戦略にデジタルを最大活用する」手法です。
デジタルメディアやコンテンツだけがなにかを大きく変えるのではないと思うんです。ただし、この新しいチャネルはほかのチャネルやメディアにはできない重要な役割を担うことができます。同時に、生活者から行動につながる信頼を得ることもできるし、その反応をつぶさに見ていくこともできるんです。この存在があるからこそ、総合的な戦略を実行していくことができます。
いわゆる広告であるアドクリエーティブ、販売促進であるSP(セールスプロモーション)にPRとして、「情報クリエイティブ」を複合的に実行していくなかで、そのすべてのメッセージに納得ができたとき、初めて生活者は「動く」。私たちはそう信じています。
「デジタル」には、その言葉が想起させる無機質な響きとは正反対に、旧来のいかなるアプローチよりも生身の声が詰まっています。数値のみに注目するのではなく、そこから聞こえる生の声や思いをいかに動かすことができるか。そこが重要ポイントなのです。
株式会社インテグレート
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