「既存プロセスの改善」
にとどまらず、その先を行く

出典:PwC 2015 年グローバルオペレーションズ調査
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 企業のオペレーションの強みは瞬く間に他社に模倣され、業界の標準として定着する。グローバル企業の多くはこうした状況に気付いており、既存プロセスの継続的な改善だけでは優位性を維持できないと考えている。日々の業務改善に取り組む一方で、より長期の取り組みを並行して進め、オペレーション自体と、それが生み出す価値を変革しようとしている。

 マーケティングチームは製品ポートフォリオを拡充し、カスタマーチームはサービスレベルを向上させ、SCM(サプライチェーンマネジメント)チームは在庫削減を進め、調達チームはサプライヤーに継続的にコスト削減要求をしている。しかし顧客の要望が激しく変化する中で、こうした「個別対応」は限界に達しているのではなかろうか。実際に私たちの調査ではそれぞれの部門がどんなに効率的に働いたとしても、個別最適で行動することは正解ではないとの回答を得ている(左図)

 では企業が戦略的ゴールを達成するための要因とは何であろうか。回答者の6割は、部門の壁を超えた協力と迅速な意思決定が鍵だと答えている。

 今の経営層はオペレーションを広範囲で捉えている。調達・製造・SCM、サービス業で言うところのフロント・ミドル・バックオフィスだけではない。私たちの調査対象の6割以上の企業は顧客分析、マーケティング、営業、サービスサポート、新製品およびサービスの開発もオペレーションの一部と考えている。こうした企業では、「部門の壁を超えて考える力」が、オペレーションの可能性をより広げるだけでなく、企業戦略とより連携した取り組みを実現する秘訣だと考えている。

 企業戦略と広範囲のオペレーションを融合するためには、経営層自らがこれを評価する視野を持つ必要がある。そして多くの企業がまだそこまで達していないことを自認している。経営層のレベルで部門横断的なケイパビリティ(企業成長の原動力となる組織的能力や強み)を重要視し、これに対する部門リーダーの貢献を評価する企業は3割 ほどであり、その他約半数の企業では部門間で連携せず、個別に各部門で必要な取り組みを進めているのが現状である。

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