顧客満足向上と配送効率の向上を、
同時に実現する
LogiSTAR®の導入により業務の効率化とサービスの向上を実現したケースは多い。例えばアスクルの個人向けインターネット通販サービス「ロハコ」では、顧客に商品を届ける上で、再配達率をいかに下げるかが課題だ。ロハコでは配達時間をより正確に顧客に通知することで、効率化と顧客満足の向上を目指している。それを支えるのがLogiSTAR®で、配達時間は1時間枠での受け付け、および顧客へは30分単位での事前通知を実現している。また、さらなる精度向上の取り組みとして、パスコも参加し人工知能(AI)の活用に挑戦中である。天候変動やドライバーの力量、物量予測などをパラメーターとして、より効率的な配送計画を練るためのシステム検証が始まっている。
LogiSTAR®は当然BtoB物流にも大きな配車業務の改善効果をもたらす。
3温度帯の全国配送を得意とするSBSフレックでは、全国のチルド・フローズンの共同配送網の配車業務にLogiSTAR®を活用している。
荷主によって複雑な条件があるためLogiSTAR®の支援を得て配車業務を行っているが、「トラックドライバーの経験がない配車マンが、半年で50台までの配車を担えるほどになっています」(井手課長)。
積載率が向上し、配車時間が大幅に改善された、など多くの効果を生み出し続けている。今後は、協力運送会社の空車車両情報と連携する、顧客のSCMと連携するなど、配車業務のさらなる効率化を求めていく考えだ。
配車マンと共存しつつ
物流リスクを低減する
LogiSTAR®は、GISを基盤として運行(動態)管理や自動発着判定機能など周辺サービスを拡大している。ビッグデータ分析を重ねることで精度も向上してきている。
ただ佐藤副事業部長は、「100%完全自動配車にするのはむしろ良くない」と言う。配送条件が複雑になるほど配車マンの技能・力量に依存し続けるのは経営のリスクになる。だが顧客との接点はトラックドライバーが担い、そこでの細かな要望や課題は配車マンにフィードバックされている。配車マンはサービス開発や顧客との信頼関係の構築に欠かせない存在であり、システムロジックだけで処理してはならない、というのである。
「配車マンが集めた情報と判断が、効率化とサービス向上の最後の鍵を握ると思います。その余地は残しておいた方が良いし、むしろ配車マンと共存してより優れた配送計画の策定に貢献するのがLogiSTAR®であると考えたい」(佐藤副事業部長)
人を生かしつつ経営基盤の確立にも貢献する。LogiSTAR®は、そうした考え方で作られているシステムであるが故に、さまざまな応用展開も可能になりそうだ。