川上から川下までの
サプライチェーンソリューションを

 三井倉庫ロジスティクスの前身は、家電メーカー系物流会社の三洋電機ロジスティクスだ。2012年に「物流から価値を」をビジョンとして掲げる三井倉庫ホールディングスの100%子会社となり、現社名に改めた。日本国内での家電製品の物流においては、大手量販店や国内外の主要メーカーを顧客とし、約4割のマーケットシェアを握る。

 そして、三井倉庫グループに加わってからは、グループが持つ調達・製造物流の機能とグローバルネットワークをフル活用して、海外を含む川上での調達・製造物流サービスの拡充を図ってきた。これにより、同社のサプライチェーンソリューションのメニューは大きく広がり、サプライチェーンの川上から川下までを貫徹するものとなっている。

家具や住宅設備などの大型製品の搬入は得意分野だ

 また、三井倉庫ロジスティクスは川下においては、大型家電製品や住宅設備、業務機器、医療機器などのラストワンマイル配送に加えて、設置・工事や修理、検査、保守などのテクニカルサービスおよびコールセンター業務の領域でも豊富な経験を持っている。

 パートナー企業との連携による全国対応、キャパシティマッチングシステムの活用による配送・作業効率の向上、納品先との細やかな搬入スケジュール調整によるCS向上など、三井倉庫ロジスティクスは顧客企業にさまざまな価値を提供し、テクニカルロジスティクスプラットフォームを構築している。

 近年、ITを駆使したロジスティクスの最適化、またマテリアルハンドリング機器やロボットの活用などによる物流オペレーションの効率化と自動化が進んでいる。しかし、物流のオペレーション現場にはまださまざまな苦労があり、そこで働く人の知恵と工夫が日々の改善活動を促し、さらにイノベーションを生み出すもとともなる。

 石田社長は、「お客さまのビジネスと物流オペレーションの現場をつなぐビジネスソリューション部門の人員を、現在の30人規模から50人規模へと増やす方向で取り組んでいます」と語る。

 それは3PL深耕とLLP発展への〝号砲〟ともなるものだ。