赤字続きの健康保険財政
制度を支える財源は誰が負担する?

 大企業が独自に運営する組合管掌健康保険(組合健保)も、基本的な保険料の仕組みは協会けんぽと同じだ。ただし、組合健保の保険料率は、従業員の人数、年齢構成などに応じて3~10%の範囲で組合独自に決めている。

 たとえば、ある大手自動車メーカーの保険料率は7.6%(会社負担4.95%、本人負担2.65%)、ある大手電機メーカーは7.3%(会社負担4.38%、本人負担2.92%)など。1458ある組合全体の平均保険料率は7.672%。中には協会けんぽの平均保険料率9.5%を超える組合もあるが、97%以上の組合が9.5%未満で、そのうち93組合はいまだに6%未満という低い水準となっている。

 さらに組合健保より低い保険料率なのが国家公務員共済組合の6.943%、私学教職員共済の6.520%だ。受ける医療サービスは同じなのに、負担する保険料率にこれだけの差があるのは不公平との声もある。

 現在、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会では、原因不明の難病やがんなどで長期間、高額な医療費がかかる患者の負担を軽減する新しい仕組みについて話し合われている。その費用にあてるために提案されているのが、医療機関を受診した患者から一律に1回あたり100円を徴収するというものだ。

 医療を支えている財源は、保険料、税金、患者負担の3つだが、根本はなんといっても保険料のはずだ。その保険料は、前述したように健康保険ごとに負担の差があり、まだまだ余裕のみられる団体もある。そうした保険料の不公平を是正する前に、安易に受診時の患者負担を増やすのは順序が違う。

 また、受診時の一律100円負担は、「病院に行く回数の多い高齢者や持病のある人ほど負担が大きくなる」「当初は100円でも、いったん導入されたら、いずれ値上げされる可能性がある」「受診抑制につながる」といった問題点もあげられている。