
セブン-イレブンの「セブンカフェ」は発売から12年近くたったが、広く認知され、筆者も愛飲している。アイスコーヒーは、レギュラーサイズ(R)とラージサイズ(L)の2種類あるが、多くの人が経験則上、レギュラーよりラージの方が量が多くて割安なのではないかと思っているのではないか。本当にラージはお得なのだろうか。(イトモス研究所所長 小倉健一)
コーヒー市場に革命起こしたセブンカフェの誕生
コンビニで提供される、いれたてのコーヒーは、現代日本の生活様式に深く根付いた文化の一つとなった。
中でもセブン-イレブンが展開する「セブンカフェ」は、その先駆けとして市場を切り拓き、多くの人々に愛され続けている。
手頃な価格で本格的な味わいのコーヒーが楽しめるという価値は、多忙な日常を送る人々にとって大きな魅力だ。筆者自身も、セブンカフェを日常的に愛飲する一人であり、その品質と利便性の高さには常に満足してきた。
セブンカフェは2013年の発売当初、レギュラーサイズを100円という画期的な価格で提供し、コーヒー市場に衝撃を与えた。
年月が経過し、世界的なコーヒー豆の価格高騰や物流コストの上昇といった経済情勢の変化を受け、セブンカフェの価格も段階的に改定されてきた。2022年に初めての値上げで110円となり、2024年3月には120円、そして2025年7月からは140円へと価格が引き上げられることが発表された。
ラージサイズのアイスコーヒーに至っては250円となり、発売当初の価格を知る者にとっては、時代の流れを感じずにはいられない。
価格が上昇したとはいえ、専門の喫茶店でコーヒーを飲むことと比較すれば、セブンカフェの費用対効果は依然として高い水準にある。だからこそ、多くの消費者は値上げを受け入れ、利用を続けている。
ただ、日常的に購入する商品だからこそ、ふとした疑問が頭をよぎる。サイズ選びにおいて、消費者は本当に賢い選択をしているのだろうか。特に、より多くの量を求める際に選ばれるラージサイズは、レギュラーサイズと比較して本当にお得なのだろうか。
多くの消費者は、大きいサイズほど量あたりの単価が安くなるという経験則を持っている。この経験則がセブンカフェのアイスコーヒーにも当てはまるのかを確かめるべく、筆者は自ら詳細な調査を実施することにした。