ましてや、2006年6月の健康保険法等の一部を改正する法律案付帯決議には、「患者負担は将来に渡って3割を維持し、安易に公的医療保険の範囲の縮小は行わない」ということが明記されている。受診時の一律100円負担の導入は実質的な窓口負担の増額にあたり、この付帯決議に抵触するのではないだろうか。

 そもそも、日本の窓口負担は世界的にみても非常に高い。諸外国を見渡せば、イギリス、カナダ、イタリアは薬剤の一部負担はあるものの、窓口負担は無料だ。フランスの窓口負担は3割だが、それを補完する共済組合があるので実質的には無料。ドイツはひとつの病気の治療にかかる費用は四半期ごとに10ユーロ、入院1日につき10ユーロまでとなっている。

 今以上に患者に窓口負担を求めることは、医療から引きはがされ、受診遅れで命を落とす人が増やすことになりはしまいか。目先の財源確保のための安易な窓口負担の引き上げではなく、病気やケガで困っている人の医療費は保険料や税金で賄うという健康保険の理念に立ち返る議論が必要ではないだろうか。