1921(大正10)年9月28日、安田財閥(現芙蓉グループ)の始祖、安田善次郎は、自宅に押し入ったテロリストの凶刃に倒れた。享年82。犯行動機は、善次郎が巨万の富を築き上げながら、社会的な責任を果たしていない、よって天誅を下さなければならない、というものだった。このテロリストの弁が一人歩きしたことで、善次郎は金の亡者、守銭奴というイメージがついてしまった。しかし、こうした評価は事実に反するものであり、実像から大きく外れている。

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