普段、一般の注目を集めることの少ない超長期金利がスワップ金利を大きく上回る形で上昇している。その背景には単なる需給の変化を超えた、経済や財政への深い懸念が潜んでいる可能性がある。市場が求めるリスクプレミアムの上昇は、国債の「安全資産」としての性格に変化が起きつつあることを示唆しているのかもしれない。国債利回りとスワップ金利の乖離を手がかりに、財政リスクがどのように超長期金利に反映されているのかを読み解き、資産価格の下落や市場の信認喪失による副作用がいかに実体経済に波及し得るのか、トラス・ショックの例を踏まえて検討する。
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