オフィスや住宅、商業施設の賃貸市場では、堅調な需要と賃料上昇が確認され、不動産投資市場でも地価やマンション価格の上昇が続いている。プロ投資家の物件取得意欲も根強い。しかし、その裏側で市場参加者の間に広がりつつあるのが、先行きに対する“明確な不透明感”だ。背景には日本銀行による金融政策の正常化に伴う金利上昇圧力や米国通商政策の不確実性がある。それにもかかわらず、現在の市況は実需と資金調達環境の良好さに支えられ、比較的安定して推移している。本稿では不動産市場のセグメント別の需給動向や価格の動きに加え、今年下半期に向けて顕在化する可能性のある2つのリスクについても検討する。
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