それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術#20Photo:PIXTA

日本銀行の利上げにより金利のある世界が住宅ローンの世界にも戻ってきた。これまで0.2%などの超低金利が続いていた変動金利ローンの金利上昇も相次ぐ。これから新規でローンを借りる人、すでに借りている人は具体的にどんな対策が必要なのか?特集『それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術』(全33回)の#20では、金利のある時代の住宅ローン戦略を、ケース別に詳しく解説していこう。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

2026年には変動金利が1.27%に上昇、1年で約1%上がる?
金利のある世界復帰で住宅ローン戦略はどうするか

 2023年度には0.3%だった住宅ローンの変動金利が、26年度には1.27%を超えてくる――。これはみずほリサーチ&テクノロジーズのレポート「『金利のある世界』へ踏み出す日本経済」で示された試算だ。

 日本銀行は25年1月の金融政策決定会合で変動金利の利率決定に影響する政策金利を0.50%に引き上げた。住宅ローンの変動金利に影響する短期プライムレート(短期金利、1年未満の貸し出しの最優遇金利)は政策金利に連動する傾向がある。

「1月の利上げ後、半年に1回のペースで次は7月に、その次は26年1月に政策金利が1%になるまで利上げが行われるとみている」とみずほリサーチ&テクノロジーズ調査部・シニア日本経済エコノミストの服部直樹氏は言う。政策金利が1%に届くと変動金利は1.27%という水準にまで上がるのだという。現在の水準からほぼ1%分上昇する格好だ。

 最近のマンションブームの立役者であった、超低金利変動住宅ローンがこれで一つの時代の終わりを迎えることは間違いない。

 1月の利上げに伴い、この4月に多くの銀行が変動金利住宅ローンの利上げを0.25%引き上げた。全体のうち利用率が7割にも届くとみられる既存の変動ローンの利用者にも、これから住宅ローンを新規に借りてマンションを買おうという人にも影響は大きくなる。利上げはもちろん、固定金利住宅ローンにも影響を与える。

 現在住宅ローンを借りている人およびこれから借りる人はどのような対策を取ればいいのだろうか?現在のローン利率と比べて、どのくらい差が開けば借り換えを検討すべきなのか。さらに利上げで各銀行の住宅ローン戦略にも大きな変化が生じている。この中で具体的なローンの選び方やケース別の行動指針をどうすべきなのか。次ページから専門家に詳しく解説してもらった。