
吉野 薫
オフィスや住宅、商業施設の賃貸市場では、堅調な需要と賃料上昇が確認され、不動産投資市場でも地価やマンション価格の上昇が続いている。プロ投資家の物件取得意欲も根強い。しかし、その裏側で市場参加者の間に広がりつつあるのが、先行きに対する“明確な不透明感”だ。背景には日本銀行による金融政策の正常化に伴う金利上昇圧力や米国通商政策の不確実性がある。それにもかかわらず、現在の市況は実需と資金調達環境の良好さに支えられ、比較的安定して推移している。本稿では不動産市場のセグメント別の需給動向や価格の動きに加え、今年下半期に向けて顕在化する可能性のある2つのリスクについても検討する。

#107
首都圏のマンションを筆頭に、不動産価格の高騰が続いている。一方、日本銀行が利上げを進めていることで、不動産価格は下落に転じるとの声もある。2025年も不動産価格の高止まりは続くのか。それともバブルが弾けるのか。25年の不動産市況や上場不動産投資信託(J-REIT)の行方を展望する

#28
日銀の政策変更による影響に加えて、建築費の高騰、低迷が続くオフィス市況など不安要素が山積する不動産市況。都心部の地価は高値圏にあるが、今後も底堅く推移できるのか?不動産市況の分析の第一人者である吉野薫氏に「楽観論が後退」する、2024年の日本の不動産市況について分析してもらった。

長引くコロナ禍で都心部オフィスの空室率が上昇。ホテルや商業施設も厳しい状況が続いており、足元では供給制約や悪い円安論も台頭している。もっとも、厳しい環境のなかでも、コロナ終息を見据えて、投資家の不動産に対する注目度は高い。強弱材料が交錯する2022年の不動産市況について分析した。

#12
コロナ禍は不動産市況にも大きく影響した。オフィスの空室率は上昇し、賃貸住宅市場も一部の好立地物件を中心に稼働率が低下している。特集『総予測2021』(全79回)の#12では、日本不動産研究所主任研究員、不動産エコノミストの吉野薫氏に2021年の不動産市況について分析してもらった。21年にかけて不動産価格の調整は不可避だが、下落幅は小幅にととどまりそうだ。
