原油価格の下落が止まらない。トランプ政権の関税政策による世界経済の減速懸念に加え、OPECプラスの増産観測が強まり、市場では2026年に1バレル=50ドル割れも視野に入るとの悲観論が支配的だ。米エネルギー省も大幅な供給過剰を予測する。だが、この一方的な下落シナリオを鵜呑みにしてよいのだろうか。原油の供給過剰説の裏に潜む複数の「価格上昇リスク」として、制裁と攻撃で疲弊するロシアの供給能力低下などの見落とされがちな強材料を指摘し、中東情勢の緊迫化や2026年の米中間選挙という政治的要因も絡み市場のコンセンサスに潜む死角を読み解く。

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