2050年のカーボンニュートラルの実現、そしてホルムズ海峡危機というエネルギー安保の荒波を受け、原子力発電が再び世界の中核に躍り出ようとしている。しかし、この巨大なエネルギーシフトの裏側で、人類は「核のごみ(高レベル放射性廃棄物)」という未解決の課題を抱えたままだ。地層深くに埋めたとしても、天然のウラン並みの放射能レベルにに下がるまでに数万年という時間を要する負の遺産。この絶望的な年月を「300年」へと短縮し、さらにはエネルギーへと変える革新的な技術が今、実用化に向けて動きだしている。鍵を握るのは、核のごみを無害化しながら発電する「加速器駆動型未臨界炉(ADS)」だ。長年その実現を阻んできたのは、装置の心臓部を流れる「液体金属」による激しい腐食だった。この停滞に終止符を打ったのが、東京科学大学の近藤正聡准教授が発見した「自己修復する合金」である。大学発のスタートアップ「Lead accel」を設立し、原子力の出口戦略を根底から塗り替えようとする近藤氏に直撃インタビューした。

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