停滞感の強い欧州経済にとって、防衛費拡大は数少ない成長押し上げ材料として注目を集めている。NATO加盟国は2035年までに国防関連支出を対GDP比5%へ引き上げる目標を掲げ、この1年で装備品を中心に支出は着実に増えてきた。エネルギー高や中国との競争激化に苦しむ欧州にとって、軍拡は景気の下支え役になり得るとの期待も大きい。だが、防衛費を増やせばそのまま経済成長につながるほど、話は単純ではない。経済全体への波及の弱さ、生産能力の不足、財政余地の限界という3つの視点から、欧州の“軍拡”が持つ成長効果の実像を点検する。

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