多くの企業でリーダーシップの不足は切実な課題だ。これに対して、独自のプログラムを提供しているのがIWNCだ。同社は先頃、GEやLIXILグループで人事の要職を務めた八木洋介氏を会長に迎えた。その八木氏とIWNC社長の石川博久氏がリーダーシップの開発について語り合った。

──日本の組織には、よく「リーダーシップが足りない」という話を聞きます。

八木洋介
IWNC代表取締役会長
ICMG取締役

八木 日本に限らず、世界中の組織に共通する課題です。どこの国のどんな企業であっても、リーダーの育成は容易なことではありません。

石川 困難であるからこそ、本物のリーダーに牽引される組織は強い。そこで、私たちはリーダーシップ開発を事業の柱と位置付けてきました。その一方で、チームビルドも重視しています。日本企業は、ともすれば「みんなで仲良く」となりがちです。そうではなく、自律した個人がコンフリクト(衝突、対立)を起こしながら、新しい価値創出を追求する。そんなチームづくりを支援しています。

I Will Not Complain.
自分をリードする力

八木 リーダーとは何か。さまざまな定義がありますが、その根底には「自分自身をリードする力」が不可欠です。それができない人に、部下や仲間をリードすることはできません。自分自身と対話し、自分を発見する。そうした経験を経て、自らをリードできる本当のリーダーが生まれます。IWNCがフォーカスしているのがこの分野です。

 リーダーに求められるビジョンや戦略、コミュニケーションなどの分野のサービスを提供している企業は多くありますが、自分発見という部分でリーダーシップ開発を支援できる企業は少ないと思います。前職で私はクライアントの立場からこのサービスを体験するとともに、IWNCと協働してよりパワフルなものにしてきました。そして、IWNCがリーダーシップ育成において本質的な働き掛けを行っていることに感銘を受け、IWNCに参画したのです。

石川 社名の由来である“I Will Not Complain”は、自分の人生に責任を持つということです。当社は1989年の設立以来、この「自分をリードする力」の開発に取り組んできました。その重要性はリーダーシップだけでなく、チームビルドにおいても変わりません。自分をリードできる個々人がぶつかり合うことで、新しい価値が生まれる。それが、チームが機能するということだと思います。