サインポストがディープラーニング技術を応用してレジレス化を実現した「スーパーワンダーレジ」。そのテストマーケティングが遂にスタートした。レジ待ち時間の短縮に加え、店舗経営で深刻化する人手不足の有効なソリューションとして大きな期待を集めている。

JR大宮駅(埼玉県)西口のイベントスペースに設置された無人ストア

 JR大宮駅西口イベントスペースに、ひときわ目を引く近未来的なポップアップストアが設置された。サインポストが開発したAI無人決済システムを組み込んだ「スーパーワンダーレジ」である。このシステムは、棚から取った食品や飲料などの商品をAIが把握することで、自動的に購入商品の合計額を算出するというもの。それによってレジでの会計待ちをすることなく、交通系電子マネーなどで短時間に決済を行うことができる。

 レジのない無人の店舗はシンプルなデザインで、とてもスマートな印象だ。

 利用法もシンプルだ。買い物客は入口ゲートで電子マネーをかざして入店。欲しい商品を棚から取り出すと、サインポストが独自に開発した人工知能「SPAI」が商品を特定し、人物と紐づけて決済ゲート到着前に精算を完了する。買い物客は会計結果を画面で確認してから、交通系電子マネーなどで決済して出口ゲートから退店するだけだ。

 今回のポップアップストアは、JR東日本のオープンイノベーション型のビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム」に採択され、同社との協業によるテストマーケティングとして11月20〜26日の期間に実施された。

11月17日に行われた「JR東日本スタートアッププログラム」ではサインポスト蒲原寧社長自らプレゼンテーションをした

 同プログラムは、独自のアイデアを持つベンチャー企業などから、JR東日本の経営資源を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現するもの。概ね起業10年以内の企業を対象としたアクセラレーションコースと、起業後間もない企業を対象としたインキュベーションコースがあり、全体で237件の応募があった。

 その中から書類審査とプレゼン審査を経て19件が選ばれ、サインポストの「スーパーワンダーレジ」は、社外審査員を交えた審査会でアクセラレーションコース最優秀賞に選ばれた。

「JR東日本スタートアッププログラム」で「スーパーワンダーレジ」は最優秀賞を獲得。
写真は、JR東日本の常務取締役・新井健一郎事業創造本部長から賞金を受け取る蒲原社長