首都圏と関西圏のほぼ中間に位置し、豊かな自然と温暖な気候に恵まれている浜松市。進取の気性が根付いた風土で、これまで希代の起業家や数々の世界的企業を輩出してきた。ものづくりの情熱にあふれた同市の産業立地としての魅力を、鈴木康友市長に聞いた。

鈴木康友 浜松市長

 浜松市の魅力とは何だろうか? 衆議院議員も務めた鈴木康友市長はこう語る。「私自身、一度外から浜松市を見て、その良さに改めて気付かされました。ものづくりのまちとしての歴史や、進取の気性“やらまいか精神”、人口80万の都市機能や豊かな自然環境、交通アクセスの良さなど、優位性は数多くありますが、私が感じるのは、良いものを積極的に受け入れるオープンな土地柄です。浜松市には、多様性を認め柔軟に受け入れ、都市の活力や成長の源泉とする風土が昔からある。だからこそ、この地から世界的な企業が育つのです」

 浜松市には、スズキ、本田技研工業、ヤマハ、河合楽器製作所、ローランド、浜松ホトニクスなど、輸送用機器や各種楽器、光電子部品の世界的企業が集結している。だが創業者は地元出身とは限らない。おのおのがこの土地を“ものづくり”の適地と考え、事業を発展させてきたのだ。