アドレスによって分譲平均坪単価も住人のタイプも異なる、そんな個性が大きな魅力でもある東京湾岸のタワーマンション。この春は、例年では考えられないほど賃貸物件の数が足りていない。東京五輪を2年後に控え、湾岸タワマンの流通に何が起きているのか。

 今年に入って、東京湾岸のタワーマンションの賃貸物件不足が極めて深刻な状況を迎えています。家賃を20%上げても、空き物件が出るやすぐに申し込みが殺到。詳しくは後述しますが、こんなことは昨年まで想像もできませんでした。

 東京の湾岸にタワマンが建ち始めたのは十数年前からです。現在も依然として需要は底堅く、分譲物件が新築時より高く売れるケースも少なくはありません。

(出所)スタートライン成約事例(2017年)

 東京湾岸でも、マンションの建つアドレスによって、中古の物件価格にははっきりと差が出ます。上の図で、2017年に当社が扱った湾岸中古物件の平均坪単価をアドレスごとに分類してみました。(注)

 タワマンの集中するアドレスを平均坪単価が高い順に並べると、(1)汐留(港区) (2)月島・佃(中央区) (3)芝浦(港区) (4)勝どき(中央区) (5)晴海(同) (6)港南(港区) (7)豊洲(江東区) (8)有明(同) (9)東雲(同)─となります。

(注)スタートラインの2017年の成約事例より、「20階以上、60〜80平方メートル、2〜3LDK」の物件を抽出し平均坪単価を算出。港南や東雲など、早い時期に建った物件の多いアドレスは平均坪単価が下がる傾向にある