コミュニケーション環境として、ビジネスチャットを活用する企業が増えつつある。最近は、新卒・内定者とのやりとりに用いて、企業・学生双方のミスマッチを解消するところもある。コミュニケーションの円滑化は、離職率の低減にも効果を期待できる。ビジネスチャットの活用法は大きく広がってきた。そんな動きをリードしているのが、「TEんWA(テンワ)」を提供するテンダである。

専務取締役
中村繁貴氏

 多くの企業にとって人手不足は切実な課題だ。人材採用活動を強化しても、思うような結果につながらないと嘆く声も聞こえてくる。ビジネス向けのさまざまなソフトウエア製品やクラウドサービスを提供するテンダ専務の中村繁貴氏はこう語る。

 「新卒で入社した社員の3分の1は、3年以内に辞めてしまうといわれます。また、最近は売り手市場ということもあり、内定辞退の増加に困っている企業も多い。なぜ、このような非効率な状況が生まれているのでしょう。その背景には、コミュニケーションの課題があります」

ビジネスチャットは
若者にベストマッチ

 内定者とのコミュニケーションでは、人事部門がメールベースでやりとりをしている企業が多いだろう。ビジネスチャットを使って内定者とやりとりしている先進的な企業でも、人事部長のような役職者が参加すれば率直な会話は期待しにくい。

 「例えば、ビジネスチャットの“内定者グループ”に、入社して間もない先輩が入れば、場の雰囲気は気軽なものになります。内定者は、会社の考え方や職場の様子などが具体的にイメージできるはず。相手が数年先輩なら、遠慮なく質問することもできるでしょう。内定者とのコミュニケーションを改善すれば、内定辞退を減らすことができます。新卒社員が入社後に、『こんなはずではなかった』と感じるケースも少なくなるはずです。

 それにより、辞退者を減らすというよりも、企業に合った方に入社していただくことが可能になります。採用は会社も学生も一緒に働けるかを判断基準にしていると思います。もしも学生がOB・OG訪問だけでなく、より多くの社員と触れ合えれば、一緒に働きたいと思ってもらえるでしょう」と中村氏は言う。

 社内のコミュニケーションが円滑になれば、さまざまなところに好影響が及ぶ。テンダはそんなコミュニケーションプラットフォームとして、「TEんWA」を提供している。

TEんWAはさまざまなグループを設定することができ、通常は、1人が複数のグループに参加してコミュニケーションを図る。グループはファイル置き場としても機能するので、メール添付で重いファイルをやりとりする必要はなくなる。ネットワークの負荷軽減にもつながる。
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 ITサービス業A社は、TEんWAで採用活動の質と効率を高めた。同社の従業員は300人余りで、大卒・専門学校卒・高卒の新卒採用を行っている。従来はメールベースで内定者とやりとりしていたが、1年ほど前にTEんWAに切り替えた。

 「A社が調べたところ、TEんWA導入後に内定者の会話回数は以前の2倍に増加。特に、高卒内定者の会話は3倍に増えたそうです。おそらく、若い人ほどLINEなどに慣れているので、ビジネスチャットの会話に入りやすいのではないかと思います。会話回数の増加は、入社前後のギャップの軽減にもつながります。一方、従来からのメールでは、『お世話になっております』といった型通りの言い回しが求められたりします。ハードルが高いと感じる若者は少なくないでしょう」とテンダの石井彩乃氏は話す。

 採用活動だけでなく、コミュニケーションの円滑化によって離職率の低減も期待できる。この他にも、TEんWAは多様な機能でビジネス活動を強力にサポートしている。