檜をふんだんに使った丈夫で長持ちする木造住宅を追求する日本ハウスホールディングス。「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」への挑戦やホテル東日本の展開など新しい事業にも積極的に取り組んでいる。企業理念は「報恩感謝の心で行動する」。人間性を高める社員教育にも力を入れている。

日本ハウスホールディングス
成田和幸グループCEO兼 代表取締役社長

「住宅産業の原点は人間性、知識や学力よりも人間性が問われる人間産業です。当社では、社員がおのおのの人間性を高め、非エリート集団でも身を挺(てい)する徹底的な社員教育によってエリート集団に勝てること、学歴と企業の力は無関係であることを証明したい」

 こう語るのは、自らが伝説の営業マンであった成田和幸社長である。故に同社の創業の精神は「学歴不問・実力主義」。新卒を募集する広告には「集合! 苦難を乗り越え、涙して感動する人生を望む人。」とある。

 成田社長自らの思いを表現した言葉だという。

住宅メーカーとして
譲れない三つのこだわり

 2018年に設立50年目を迎える同社は、14年に東証一部上場を果たし、翌年「日本ハウスホールディングス」に社名変更。ホンモノの檜の家をテーマに木造注文住宅の「日本ハウス事業部」、木造提案住宅の「J・エポックホーム事業部」、増改築等の生活提案をする「住(すまい)・環境リフォーム事業部」、資産活用の「Urbanアセットマネジメント事業部」、マンション提案の「分譲・投資マンション事業部」の5事業を軸に、さらなる飛躍を目指している。

 同社の家づくりには三つのこだわりがある。第一に「檜・構造」、丈夫で長持ちする住宅を実現するため、建築資材に高級な「檜」を土台・柱に使っていること。「耐震」+「制震」のグッドストロング工法を開発するなど、木造工法では、最高クラスの強さを誇る。

 二つ目は、高い基本性能と東北震災以降全商品に価格据え置きで取り組んだ太陽光発電搭載。これは小さな会社であっても、少しでもエネルギー問題に貢献したいとの考えからで、エネルギー自給自足の家「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の販売を推進中だ。自分で使うエネルギーは自分で創るという新しい環境適合型の暮らしの創造を目指している。

 三つ目は、安全・安心に暮らせるための長期保証の住宅づくりだ。家づくりの尺度には「1メーターモジュール」を採用。一般的な住宅の多くは、三尺(91センチメートル)モジュールを採用しているが、その尺度では廊下や階段が狭く、ドアの枠が邪魔になって車椅子が通れない。

「少子高齢化が進む時代、介護できないような家を住宅メーカーが提供するのはおかしい。車椅子に対応できる広さがあれば、例えば子どもを抱えて通ったり、遊び場にしたりと、子育てもしやすい家になるというのが私たちの考えです」と成田社長。

 これらの住宅関連事業の他、同社では今ホテル東日本を中心にホテル事業も積極的に展開している。今後はシニア層をターゲットに、リーズナブルに利用できるホテル会員権ビジネスにも力を入れてゆく考えだ。東日本に展開する同グループのホテルの他、業務提携で全国に宿泊できるシステムの構築を目指している。