成蹊大学が「基礎学力型」の総合型選抜を取りやめ

――年内入試の面接必須化を受け、大学側は2027年度入試からどのような対応を取るでしょうか。

tajima
田嶋 裕(たじま・ゆたか)
アロー教育総合研究所 所長
1969年北海道生まれ。1995年早稲田大学法学部卒業。大手予備校、ラジオ局報道部記者を経て、アロー教育総合研究所に入所。大学入試の調査を担当。城西大学外部評価委員。●アロー教育総合研究所

田嶋:すでに学力テスト型の年内入試を行っていて面接の実施に猶予期間が与えられる大学は、急激な変更を避けるため抜本的な変更は行わないでしょう。他大学の出方を見極めながら、前年度までの方式にのっとって粛々と入試を進めるはずです。

 一方、27年度から新たに学力テストを課す総合型選抜を導入しようとしていた大学には影響が出ています。実際、成蹊大学は7月1日、同年度入試から予定していた「基礎学力試験を課す」総合型選抜を取りやめる発表を行いました(※2)。

 また、東海大学は、やはり27年度入試から導入する年内の特待生試験「プレトク」の試験内容の変更を発表しました。面接の実施に伴い、英語は会場での筆記試験から、外部試験スコア利用に変えるというものです(※3)。

渡辺:優秀な学生を早期に確保したいという大学側の基本的な方針は変わらないと思います。ただし、面接の負担を避けるために、評定平均や英語資格などの出願基準を引き上げて「最初から優秀な受験生だけを厳選する」動きを取る大学が出てくるかもしれません 。

 また、地方の受験生に対する移動や宿泊費の負担を軽減する工夫も加速するでしょう。具体的には、地方会場を増設したり、学力試験と面接を同じ日の午前と午後に設定するなどが挙げられます。

「実施要項」はオンライン面接も認めており、対面式との選択においてオンラインを選んでも不利に扱わないことを明言する大学も増えていくのではないでしょうか。

田嶋:関西圏の大学の動きにも注目です 。何十年も前から多くの私立大学で学力テストを実施する年内入試が定着しているだけに、面接実施の猶予期間が終了する29年度以降の動向には特に目が離せません。

※2 総合型選抜「自己推薦型、社会人特別受験、帰国生特別受験、外国人特別受験、日本語学校指定校入学試験」は実施(成蹊大学発表参照)
※3 東海大学発表参照