中村中学校・高等学校
野志尚美入試対策部部長

 四季折々の自然を楽しめる清澄公園に面し、朗らかで伸びやかな生徒が多い中村中学校・高等学校。創立は1909(明治42)年、「清く 直く 明るく」の校訓や、「わがままをおさえる」「ひとに迷惑をかけない」「ひとに親切をつくす」という生活目標を大切に受け継いできた。2023年には、これらの校訓や生活目標、中村が大事にしてきた教育理念を現代に合わせて再構築し、新たなスクールミッション(育てたい生徒像)を策定。「Communication(対話)」「Care(親切)」「Commitment(自発)」「Challenge(挑戦)」「Curiosity(探究)」の五つを「5C(ファイブカラット)」とし、日々の授業や課外活動などを通じて、これらの力を育てている。

「対話」で大切なのは、対話を通じた合意形成だ。授業や部活動、行事などの場面で意見を出し合い、着地点を見つける訓練を繰り返す。

「親切」さは、言われてうれしい「ふわふわ言葉」と、嫌な気持ちになる「チクチク言葉」を中1の授業でシミュレーションして、身に付ける。掃除や授業中などの場面設定をして友達同士で言葉を投げ掛け合い、自分がどう感じるかを体験するのだ。

「無意識に発していた言葉が相手に与える影響を学ぶ機会はあまりありません。生徒が自分の言動を見つめ直し、周囲の気持ちを考える良い機会になっています」(野志尚美教諭)

「親切」な生徒たちが、「自発」的に物事に関わる機会の一つが、学校説明会だ。校内を案内するアンバサダーは、全校で希望者を募ったところ150人を超えた。自分が受験生時代に在校生に優しくしてもらった経験から積極的に立候補するのだという。

 自発的な姿勢はさまざまな「挑戦」につながっていく。「中村には、失敗をちゃかさず、笑わず、温かく応援する雰囲気があります」と野志教諭。そうした安心感があるため、人前で話すのが苦手な生徒も、授業での発表やプレゼンに勇気を持って挑戦できる。授業内のプレゼンはもちろん、例えば「トビタテ!留学JAPAN」の厳しい選考をクリアして、海外体験の機会を手にする生徒もいる。

 そして五つ目の「探究」の力は「物事の意義を見いだす力」と定義。テーマを深く調べ、時には先輩の発表内容からも刺激を受け、6年間を通じて自然と探究の内容が深まっていく。

一人一人に目を配り
じっくり成長を見守る

 卒業までにこれらの「5C」を「じわじわと身に付けてほしいのです」と野志教諭は言う。中村は中学の1学年が120人程度と、「一人一人に目が届くちょうどいい規模感」が魅力。温かで家庭的な雰囲気の中で、教員は焦らず踏み込み過ぎず、じっくりと、生徒たちが自立できる力を備えた女性へと成長していく過程を見守っている。元気な生徒もおとなしい生徒も、それぞれが自分なりの居場所を見つけ、学校生活を楽しむのが中村スタイル。生徒たちは時代に即した知性と人間性を身に付け、社会へと羽ばたいていく。

日々の授業でも探究活動でも発表の機会は多い。特に「NQフェスタ」(研究・探究発表会)は、探究の成果を全校生徒の前で披露する集大成の場だ
●問い合わせ先
中村中学校・高等学校
〒135-8404 東京都江東区清澄2-3-15
TEL:03-3642-8041
URL:https://nakamura.ed.jp/