成城学園中学校高等学校
青柳圭子校長

 2026年度、成城学園中学校高等学校の校長に就任した青柳圭子教諭は「創立者の素晴らしい理念を継承し、時代の変化は受け入れつつも、教育の本質を変えることなく守り続けます」と決意を語る。

 その教育理念とは、日本教育界の父と呼ばれた澤柳政太郎が唱えた「生徒一人一人の天分を引き出す」こと。自治自律、協力・和合の精神の下、青柳校長が重視するのは「つながり」の中で学ぶことと体験の機会を充実させることだという。

「どんなに科学技術が進化しても、人とつながることでしか学べないことはたくさんあります。学校で仲間とつながり、共に多様な体験をすることが興味・関心のきっかけとなって、天分を引き出すことにもつながっていくはずです」(青柳校長)

 同校では、創立当初から授業の中にグループワークをはじめ協働的な学びを取り入れてきた。体験重視の方針も長く続く伝統だ。例えば、毎年中1が参加する「海の学校」は、体力・泳力を養うことに加えて、水辺の安全について学び、ライフセービングの実習なども行う。

「初日はみんなで海に入り、手をつなぐところから始めます。3泊4日で多くを学びますが、その中に堤防から海へ飛び込む練習があり、これが難関。私が以前担当したクラスでも、怖くてなかなか飛び込めない生徒がいましたが、先に飛んだ生徒たちが誰に指示されるでもなく海の中で手をつないで輪を作り、残った子を応援し始めたのです。『頑張れ! 行けるよ!』と。その声に後押しされて最後の一人が勇気を出して飛び込み、待っていてくれた仲間たちの輪に加わったときには、大きな感動を覚えました」(青柳校長)

 つながりの中で学ぶ意味が凝縮されたような夏の海での一幕。生徒たちにとっても忘れ得ぬ体験となったことは間違いない。

課外活動から未来の学びへ
探究をより深める

 高校になると、校外での体験学習の幅が広がる。修学旅行に代わる「課外教室」では、「観劇」「農業体験」「世界遺産巡り」、データサイエンスなどの「学問入門編」や海外ホームステイなど、約20のコースが毎年用意され、生徒は行きたいものを自由に選ぶ。複数に参加する生徒もいるという。今後もこの活動は継続するが、27年度からはより探究の要素を強めたプログラムに進化させる予定だ。「社会課題の実情に触れられるような講座を増やすほか、事前学習、フィールドワーク、アウトプットというサイクルを徹底することで、生徒の探究力を深めていきます」(青柳校長)。

 そうした力は、大学入試の総合型選抜でも生きる。成城大学への内部進学者は約半数。一方で他大学へも約半数が進学し、近年は、国公立大や難関私大の進学者も顕著に増えている。

「海外大など、より幅広い進路に興味のある生徒を支援する体制も整備していきます」と青柳校長。こうした多様な道への拡充は、それぞれの天分を引き出す機会を後押しするに違いない。

「海の学校」は事前に学校のプールで訓練してから参加し、泳力のある生徒は遠泳にも挑戦。中1の頑張りを高1のライフセーバーがサポートするのも恒例
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成城学園中学校高等学校
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