「イノベーションリーダーとは、0から1を生み出すイノベーターに限りません。目指すは、社会変革のために『生み出す・巻き込む・形にする』力を備えたリーダーの育成です」(染谷センター長)。初年度は32人が入学。「自分たちが新しい教育の歴史をつくると、強い意志と熱気を持つ生徒たちが集まっており、楽しみで仕方ありません」と染谷センター長は期待を隠さない。

自己理解を深めながら
社会課題の現場へ
ILコースの学びは、プロジェクト型学習を中心とするが、いきなり生徒にプロジェクト活動の設計を全て委ねるわけではない。染谷センター長は「情報があふれる現代だからこそ、自分の感情や思考への自覚性を高めることが重要」と語る。1学期は「SEL(社会性と情動に関する学習)」の理論を取り入れ、対話を通じて、自分自身の興味・関心・課題意識を明確にしていく。さらに「社会接続プログラム」として、毎週のように企業や地方を訪れる。徳島県佐那河内村(さなごうちそん)での課題探究や、セブ島での越境体験など、社会課題の最前線に触れる機会を多数設けている。
こうした活動と並行して、専門家から「アート思考」や「デザイン思考」を学ぶ。「実際の現場に出向くことを重視していますが、それを『楽しかったね』と単なる体験で終わらせたくはありません。体験から正しく気付きを得て、自分の興味があることが社会でどう動いているかを観察する目を育てる。その下支えとして、思考法やフレームワークを学ぶ授業を用意しています」(染谷センター長)。自らの感情に向き合い、思考の型を学ぶ。このプロセスを経て、生徒たちは自らの使命感に基づいたプロジェクトを実践していく。コースの学びを生かし、在学中に実際の起業へと踏み出す生徒が現れることも期待されている。
ILコースも本格始動し、同校の革新的な学びは進む。「自分だけが豊かになるのではなく、世界を救うまなざしを持った人を育てたい。20年後、本校から世界を変える人材がきっと生まれるはずです」と、青井校長は今後の展望を力強く語った。
