個別指導塾の費用

 個別指導塾は、1対1から1対4までの個別指導が受けられる学習塾です。個別指導塾は、個々に最適なカリキュラムで学習を進め、きめ細やかなサポートを受けられるのがメリットです。

明光義塾

 明光義塾は個別指導塾のパイオニアであり、全国一の教室数(1,700教室以上)と生徒数を誇る大手塾です。

 明光義塾の高校生コース(浪人生・高卒生も対象)では、1対3までの個別指導と映像授業「MEIKO MUSE」を組み合わせた指導を受けることができます。MEIKO MUSEには、大学入学共通テスト対策、国公立2次対策、私大対策など一人ひとりの目的や学力に合わせて選ぶことができる講座がそろっています。また、通塾型の映像授業のため、生活リズムを整えられるというメリットもあります。

 明光義塾では、完全オーダーメイドのカリキュラムで、現在の成績や志望校に基づいて最適なプランを提案してもらうことができます。

 2024年度入試では、国公立大の合格者1,632名、私立大の合格者11,297名と、個別指導塾の中でも豊富な実績があります。一方で、講師は学生講師がほとんどなので、通いたい教室の講師が志望校合格に導いてくれるだけの指導力を持っているかを確認しておく必要があります。明光義塾では、無料の体験授業やカウンセリングを行っているので、入塾を決める前に受けてみるのがおすすめです。

 明光義塾にかかる費用は次の通りです。

1コマ90分 週1回(月4回) 週2回(月8回) 週3回(月12回)
既卒生 18,700円 35,200円 50,600円
※出典: 明光義塾公式ホームページ。税込価格。2025年2月時点。別途、入会金、教材費、諸経費が必要。

ITTO個別指導学院

 ITTO個別指導学院は、全国に1,200以上の校舎を構える大手個別指導塾です。また、ワンランク上の学習環境を整えた系列塾「みやび個別指導学院」も展開しています。

 ITTO個別指導学院には「スタンダードプラン」と「フリープラン」の2つのプランがありますが、浪人生・高卒生はフリープランが対象のコースです。フリープランはオーダーメイドのカリキュラムで、1対1から1対3までの個別指導が受けられるコースです。基本的には1対1の授業ですが、兄弟や友達で同時受講する場合のみ、1対2または1対3の授業を選択することができます。

 ITTO個別指導学院の特徴は、講師指名制度があることです。指名料は別途かかりますが、「SS講師(スペシャルセレクト講師)」というワンランク上のスキル・知識・経験を備えた講師を指名することができます。より質の高い授業を希望する場合は、SS講師が在籍している教室を選ぶようにしましょう(SS講師は全国に300名在籍)。

 ITTO個別指導学院のフリープランの料金は、次の通りです。

フリープラン(月4回受講の場合・高校3年生の例)
講師✕生徒数 完全マンツーマン 講師1名✕生徒2名 講師1名✕生徒3名
指導時間 50分 80分 50分 80分 50分 80分
高校3年生 25,190円 36,630円 18,810円 27,500円 16,390円 23,870円

※出典: ITTO個別指導学院三軒茶屋校税込料金。2025年4月からの料金。地域により料金が異なる場合がある。

※週2回以上、100分コースもある。

進学個別指導塾TOMAS(トーマス)

 進学個別指導塾TOMASは、南関東に約100教室を展開する個別指導塾です。TOMASには、医学部受験専門のコース「メディックTOMAS」もあり、市ヶ谷本部校、横浜校、大宮校、渋谷校は医学部受験専門校舎になっています。

 TOMASの特徴は、個別指導を受けられる進学塾であることです。個別指導塾は、苦手克服や他塾のフォローをするための「補習塾」というイメージがありますが、TOMASでは第一志望校に合格するためのカリキュラムに基づいて、1対1の完全個別指導を受けられます。授業は発問と解説が中心の80分で、講師は生徒1人のためにホワイトボードを使い、生徒それぞれの理解度に沿って授業を進めます。

 また、授業を担当する講師とは別に、学習の進捗管理や進路相談をしてくれる教務担任がつくのも特徴です。教務担任は、教務本部や進学対策室などのバックアップを受けながら、生徒に必要なサポートをしてくれます。

 進学個別指導塾TOMASの料金・費用については、教室に問い合わせてください。

自立学習塾の費用

 自立学習塾は、学習コーチングを主体とした学習塾です。授業をせずに参考書を中心とした指導を行う塾もあれば、映像授業やICT教材を取り入れた塾もあり、多様な指導スタイルの自立学習型の塾が存在します。

武田塾

 武田塾は、「日本初!授業をしない塾」というキャッチコピーで知られる自立学習型の個別指導塾で、全国に400以上の校舎を展開しています。武田塾は「自分に合った参考書を完璧にする」指導スタイルで、市販の参考書で志望校合格を目指します。

 武田塾では、毎日の学習スケジュールや宿題まで細かく決められているのが特徴です。毎回「何時から何時まで自習に来る」かを講師と約束したり、帰宅前には1日の勉強内容について報告したりと、生徒がサボれない仕組みが整えられています。また、1週間ごとに確認テストが行われ、学習の定着状況を把握できるのもメリットです。

 浪人生・既卒生が受講できるコースには、「個別管理特訓」と「宿題確認特訓」があり、生徒が必要とするサポートの内容によってコースを選ぶことができます。また、オンラインで受講できる「オンラインコース」や「生配信コース」もあるので、通塾しなくても自学自習のサポートを受けられます。

 武田塾の料金は受講するコースによって異なりますが、受験生(高校3年生・既卒生)の場合、年額で60万円〜120万円ほどかかるようです。具体的な料金はコースによって異なるため、校舎に問い合わせてください。なお、生配信コースは23,980円(税込) / 月で受講可能です。

※出典: 武田塾公式サイト

坪田塾

 坪田塾は、ビリギャル(『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』)のモデルとなった個別指導塾で、首都圏、関西、名古屋エリアに26の校舎とオンライン校を展開しています。

 坪田塾では、「個別指導」ではなく「子別指導」と表現するほど、生徒一人ひとりに合わせた指導を行っているのが特徴です。生徒の学力はもちろん、個性や性格に合わせた指導で、モチベーション管理などのメンタルサポートにも対応しています。

 また、坪田塾では「反転学習」を取り入れた授業をしているのも特徴です。反転学習とは、自宅などで予習をしてから授業を受ける学習方法のことで、学習内容の定着や学習意欲の向上に効果が期待できます。基本的には「教えない、支える指導」をスタンスとしているため、直接勉強を教えてもらうというよりは、効果的な勉強法について学べるタイプの塾だと言えます。

 坪田塾の1時間あたりの授業料は1,530円〜2,736円です。受講時間が長いコースほど1時間あたりの料金は安くなり、夏期講習などの特別講習にフルで通った場合、1時間あたりの授業料は約877円になります。

※出典: 坪田塾公式サイト。2025年2月時点。東京23区内の料金の目安。

浪人生・高卒生の大学受験塾・予備校の費用を抑える方法

 大学受験のための塾・予備校に通うと、授業料の他にもさまざまな費用がかかり、かなり大きなお金が必要になります。できるだけ費用を抑えるために、以下のポイントに注意しておきましょう。

塾・予備校にかかる料金を比較する

 塾・予備校選びの際に、年間でかかる費用を算出してもらうことで、費用の安い塾・予備校を比較・検討することができます。ただし、授業の質や自習室の有無など、受験生に必要な環境やサービスがきちんと整っていることが前提です。

キャンペーン・割引制度を利用する

 塾・予備校では、「春期講習キャンペーン」「入会金無料キャンペーン」「転塾割引」「兄弟姉妹割引」など、さまざまなキャンペーンや割引を実施していることがあります。これらのキャンペーン・割引制度が適用されるタイミングを計ることで、お得に入塾することができます。

必要な科目・講座に絞る

 通常の授業はもちろん、オプション講座や特別講習など、講座を取れば取るほど授業料は高くなってしまいます。そのため、あれもこれもと授業を取るのではなく、必要な教科・科目に絞って授業を取ることで、費用を抑えることができます。

指導形態・受講形態を考える

 オンライン塾や通信教材は、比較的費用を抑えて入試対策をすることができます。最近では、オンラインで個別指導を行う塾・予備校が増えており、それぞれ特色のあるサービスを提供しています。オンライン塾・通信教材では不安という生徒は、通塾型の予備校とオンライン塾を併用するなどの方法も検討してみましょう。

特待生制度・スカラシップ制度を利用する

 特待生制度を設けている塾・予備校であれば、積極的に利用しましょう。特待生制度を利用すると、授業料の免除や減免が適用されて、費用を抑えて授業を受けることができます。

1年で結果を出す

 万が一受験がうまくいかなかったら、もう1年浪人生活が続いて、さらに多額の費用がかかってしまうことになります。塾・予備校の費用を抑えることも大切ですが、1年で確実に成果を出せるように必要な経費はしっかりと支出して、合格を勝ち取れるようにしましょう。

浪人生・高卒生の、大学受験のための塾・予備校の費用に関するよくある質問

 浪人生・高卒生の、大学受験のための塾・予備校の費用に関するよくある質問をまとめていますので、参考にしてください。

  • 第一志望の国立に落ちましたが、浪人するか私立に進学するか迷っています。

     費用の面から言えば、1年間浪人して国公立文系に進む金額と、浪人しないで私立大学文系に進学する金額はほとんど変わりません。しかし、私立理系や私立医系に進学する場合は、浪人して国立大に進学したほうが費用は安くなります。特に、私立医系は学費が高額になるので注意しましょう。

     

    進路 浪人費用 4年間の学費 合計
    浪人して国立大学 150万円

    文系・理系:250万円

    医系:350万円

    400万円〜500万円
    現役で私立大学 0円

    文系:400万円理系:550万円

    医系:2,000万円〜4,000万円

    400万円〜4,000万円

     一方、浪人生・高卒生が現役生と同じ職業に就いて、同じように働いた場合、生涯年収が数百万円低くなる可能性を考慮する必要があります。もちろん、浪人して希望の学部に進学したほうが生涯年収が高くなる可能性もありますし、希望の学部に進学しなければ夢を実現できないこともあります。そのため、浪人するかどうかを費用だけで考えず、自分で納得のいく進路を選択することが大切です。

  • 教育ローンを活用したほうがよいですか?

     浪人生・高卒生が塾・予備校に通うために、国や自治体、銀行の教育ローンを利用する家庭もあります。一方で、教育ローンには金利がかかりますので、ローンを借りなくてもよいなら、借りないほうが費用を抑えることができます。なお、民間の教育ローンより国の教育ローンのほうが金利は安くなっていますが、収入の上限が設定されていますので、利用条件を確認するようにしてください。

  • 塾・予備校に通わず、自宅浪人をするかで悩んでいます。

    「塾・予備校にかける費用を抑えたい」「これ以上親に迷惑はかけられない」などの理由から、自宅浪人を考える人もいます。しかし、自宅浪人をするには強い自制心が必要ですし、スケジュールやモチベーションの管理など、すべて自分でこなさなくてはならず、受験に失敗するリスクも高くなります。そのため、たとえ費用がかかったとしても、塾・予備校に通うのがおすすめです。

  • 費用を抑える上でのポイントはありますか?

     まずは入学金、授業料、教材費、模試代など、絶対に必要な費用を確認しましょう。費用を抑えた結果、受験に失敗してしまったら元も子もありません。そのため、必要な経費はしっかりと支出することが大切です。その上で、先述した「費用を抑える方法」を参考に、抑えられる費用は抑えるようにしてください。

  • 集団指導塾と個別指導塾のどちらに通ったほうがよいですか?

     集団指導塾と個別指導塾のどちらに通うべきかは、生徒の学力や個性・性格にもよりますので、一概にどちらがいいかは言えません。

     

     集団指導塾の志望校対策コースは、その大学を受験するのに必要な勉強を網羅的に学ぶことができるのがメリットです。もし同じ量の授業を個別指導塾で受けた場合、一般的に個別指導塾のほうが費用は高くなります。一方、参考書を用いて自学自習ができるなら、サポートが必要な科目だけ個別指導を受けるという方法で費用を抑えることもできます。

     

     いずれのタイプの塾に通う場合でも、事前に体験授業を受けるなどして、自分に合った塾を選択することが大切です。

  • 自宅周辺に塾・予備校がない場合はどうしたらよいですか?

     地方在住などで、自宅周辺に浪人生・高卒生向けの塾・予備校がないことも考えられます。そのような時は、オンライン指導が受けられる塾・予備校を検討しましょう。

     

     オンライン塾は、全国どこからでも指導が受けられる上、通塾型の塾・予備校よりも費用が低く設定されていることがあります。オンライン塾を選ぶ際には、自宅でもサボらないように、学習スケジュールをしっかりと管理してくれたり、メンタルケアをしてくれたり、オンライン自習室を利用できたりと、必要なサービスがそろっている塾・予備校を選ぶのがポイントです。

まとめ|浪人生・高卒生の大学受験塾・予備校の費用

 塾・予備校のタイプ別に、浪人生・高卒生の大学受験のための塾・予備校にかかる費用を紹介しました。浪人をすると、年間で150万円以上の費用が必要になることも珍しくありません。そのため、今回紹介した費用を抑える方法を参考に、できるだけ費用を抑えるようにしましょう。

 一方、浪人生・高卒生が1年で志望校合格を目指すなら、質の高い授業やサポートを受けられる塾・予備校に通うのがおすすめです。費用面だけでなく、さまざまな要素を勘案して自分に合った塾・予備校を選び、目標を実現できるように頑張ってください。