配車サービス大手ウーバーとリフトのドライバーを務めるニューヨーク市ブルックリン地区在住のカリード・メディさんは、乗客からいろいろな質問を受ける。恐らく最も頻繁に聞かれるのは車のことだ。「みんな『配車サービスの車は、なぜいつもカムリなのか』と不思議がっている」。自身が運転するのは、トヨタ自動車の2014年式「カムリLE」だ。筆者もよくそう思っていた。車を呼ぶたびに、決まって黒いカムリが現れる。これは勝手な想像ではない。ニューヨーク市のタクシー・リムジン協会(TLC)の委託で作成された配車サービス業界に関する2018年の報告書によると、同市においてアプリ経由で手配された非高級車7万2000台のうち38%がカムリだった。これは断トツの多さで、2番目のホンダ「アコード」は11%だ。