ひろゆき

フリーランスや非正規雇用者も法律で守られるようになり、多様な働き方を社会が受け容れるようになってきた今の時代。2ちゃんねる創設者で実業家のひろゆき氏は、それぞれが適した働き方ができる絶好のチャンスだと語る。先の見えない時代に、自分らしい生き方を実現する方法を指南する。※本稿は、ひろゆき(西村博之)『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。

待遇が改善された今
非正規雇用も悪くない

 アルバイトやパート、契約社員、派遣社員など、正社員(正規雇用)以外の働き手のことを総じて非正規雇用者と言います。全労働者のなかで非正規雇用者が占める割合は2000年には約25%でしたが、近年は37%前後で推移しています。

 近年、非正規雇用者が増えた原因は、契約社員や派遣社員が増えたからです(定年後の社員を嘱託で雇うケースも増えていますが、ここでは触れません)。

 契約社員は会社と直接雇用契約を結び、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結ぶわけですが、いずれも雇用期間に期限がある「有期雇用」が特徴です。

 日本中に契約社員や派遣社員が増加した時期には、正社員と同じ仕事をしているのに賞与が低かったり、退職金がもらえないといった格差があり、社会問題にもなりました。「非正規雇用=低賃金で搾取される」というイメージがいまだに強いのもそのためです。

 ただ、2021年からはじまった「同一労働同一賃金制度」(パートタイム・有期雇用労働法)や、労働派遣法の改正により状況は一変します。「同じ仕事をしているなら、雇用形態に関係なく同じ待遇にしないといけない」と法律で定められたのです。

 非正規雇用の待遇がかなり改善されたいま、個人的には非正規雇用の働き方も悪くないと思っています。

 将来的に転職を考えた場合、20代のうちに正社員を経験して履歴書を「盛っておくこと」でかなり差が出るので、もし正社員を選べるなら正社員のほうがいいと思います。

 ただ、派遣社員の場合は3年以上同じ派遣先で働けないという制限はあるものの、本当に優秀な人材で相思相愛の関係であれば契約社員や正社員の話がくる可能性があります。

 契約社員も契約期間が切れるたびに更新をすればいいわけです。

 また2013年に施行された改正労働契約法によって、有期雇用者が同じ職場で5年働けば、本人の希望次第で無期雇用になることができるようになっています。