25年4月から65歳定年の義務化が始まるなど、還暦を過ぎても働く人は今後ますます増えていくことが予想される。しかし、還暦をすぎた働き手は、「最後までイキイキと働き続ける人」と「尻すぼみで退職する印象薄な人」に分かれる。前者になるために、40〜50代のうちにできることを転職・キャリアのプロが解説する。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)
50代で「引退モード」に突入する人
70代でCEOを打診される人の違い
最近は40代や50代で転職する人が珍しくなくなってきました。この世代の人たちを見ているとキャリアに対する意欲や熱意に関し、個人差が非常に大きくなっていると感じます。
当社が候補者として推薦するような人たちにも、ビジネスの最前線でバリバリ活躍されている半面、50代に突入したあたりで早くも引退モードに入っている人がたまにいらっしゃいます。決して仕事の手を抜くわけではありませんが、30代や40代のときのモチベーションとは違っています。
50歳で引退モードに入っている人は、その先の人生をどのように生きていくのかを考えてみましょう。
おそらく定年引上げや継続雇用で65歳まで、さらに希望するなら70歳までつつがなく働いていくことになるでしょう。
一般に、継続雇用で働き続けられても年齢が上がるにつれて収入が減少することもあって、それまでのように頑張る気持ちは薄まるのかもしれません。
しかし人生100年時代となった現在、還暦を過ぎても仕事で活躍したいと思っているなら、50代から引退モードに入ってしまうことはお勧めしません。
もちろん、60歳になる前に引退し、楽しく余生を暮らす人生もありでしょう。私の知人でもそういう人は少なくありません。
一方では70歳を超えてから、他者から請われてスタートアップのCEOに就いた人がいるのです。