その日は必ずやってくる…『ONE PIECE』終了後の少年ジャンプに残された「3つの選択肢」集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトより

年の瀬が近づいてきました。「年末年始はゆっくりマンガを楽しもう」という方もいるでしょう。『週刊少年ジャンプ』を50年超、定期購読しているジャンプファンの経済評論家の立場から【「ONE PIECE」終了後のジャンプの未来】について分析します。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

『ONE PIECE』終了は「週刊少年ジャンプ」にとって最大のピンチ?

「あれ?週刊文春ってこんなに薄かったっけ?」

 と感じたのはつい先日。

 私のような経済評論家の事務所には寄稿したり取材協力をした雑誌が毎月何冊も送られてくるのですが、文藝春秋社から送られてきた封筒がずいぶん薄かったことで最近の業界の変化を改めて感じました。

 週刊文春ですら薄くなったのですね。それ以外の雑誌はずいぶん前から薄型仕様へと変化しています。今月送られてきたある大企業の顧客向け月刊誌など、納品書が送られてきたのかと勘違いするぐらい薄い紙質の16ページ。そこまでコンパクト化が進んできました。

「雑誌というメディアは衰退していく」というのが経済の厳しい理です。

 たいがいの情報はスマホで見る世代が多数派になり、紙を読む需要は一部の高齢読者層に支えられています。それもあと数年で団塊世代が80代に入れば、雑誌の時代は終わりに向かうでしょう。

 その視点で私にとって気になるのが『週刊少年ジャンプ』です。

『週刊少年ジャンプ』は、2024年現在でも発行部数は110万部と漫画誌の中では抜きんでた存在です。ライバル誌が30万部とか13万部である状況と比較すれば驚異的な発行部数と言えます。

 一方で愛読者なら全員が知っているように連載作品の中で最もIPとして価値が高い『ONE PIECE』が漫画としての最終章を迎えています。まだこの先2年分ぐらいの物語はありそうですが、最終回の日はいずれやってきます。

「そうなるといよいよ『週刊少年ジャンプ』の発行部数もライバルと同様の30万部まで落ち込む日がやってくるのか?」というのが、ジャンプファンの経済評論家としては非常に気になるところなのです。

 その日の話を記事にまとめてみたいと思います。