総予測2024#15Photo:Siegfried Layda/gettyimages

インフレ退治を目的とした急速な利上げに伴い、リセッション(景気後退)懸念に揺れる米国経済について、ニューヨーク駐在の専門家が2024年の動向を徹底討論。特集『総予測2024』の本稿では、前後編の前編として、具体的な予想成長率、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに転じる時期や回数、下振れリスクなどについて大分析してもらった。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

成長率、利下げ時期、下振れリスク…
ニューヨーク駐在者同士で徹底討論!

 世界最大の経済大国である米国の景気動向は、当然ながら世界経済や日本企業の業績にも多大な影響を及ぼす。インフレ退治を目的とした急速な利上げに伴い、リセッション(景気後退)を懸念されながらもこれまで勢いを保ってきた米経済はどこへ向かうのか――。

 その行方を見通すべく、ニューヨーク駐在の米経済分析の専門家である三井住友銀行の西岡純子チーフ・エコノミストと、大和総研の矢作大祐主任研究員が2024年の動向を徹底討論。本稿では前後編の前編として、具体的な予想成長率、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに転じる時期や回数などを大分析してもらった。

 すると、屋台骨となる米個人消費をも揺るがしかねない、両氏が共通して指摘する「下振れリスク」の存在も浮かび上がってきた。歴史的な物価高が続いてきたが、今回のインフレはどこまで続くのか、ソフトランディング(軟着陸)実現を阻む不安要素とは!?次ページ以降、両氏のやり取りを通じて一挙に明らかにしていこう。

――2024年の米国経済をどのように見通していますか。